合理的国家・シンガポールの少子化対策。国営の出会い系サイトを設置しても先進国の少子化は解決しない。

シンガポールの一世帯あたりの所得の中央値が、月70万円台に到達したことを、下記記事で、指摘しました。

関連記事:日本で貧困問題が騒がれる中、シンガポール一世帯の平均月収は、70万円台に。1億総中流の終焉。
このシンガポールの成長は、合理的な国家運営の賜物です。

そんなシンガポールも、世界全ての先進国と同様に、少子化という問題は抱えています。
世界中から優秀な人材を集めるハブになっても、自国民は、子供を作りずらくなるという傾向は、変わりません。

今回は、シンガポールという合理的な資本主義国家が、どのような少子化対策を政策として、実施しているか、その一部を、ご紹介します。

■建国記念日に少子化対策プロモーション

シンガポールの少子化対策で、最も有名なものは、こちらでしょう。
2012年の独立記念日に、流されたCMです。

ラップ調の曲なのですが、冒頭の部分は、こんな感じです。

女「Why you eating a mint baby?(なんで、ミントの飴を食べているの? )」
男「So I can kiss you on the face.(お前にキスをするためだよ)」
女「Why? (?)」
男「Because it’s National Night.(今日は、建国記念日だからだよ)」
女「What??? (どういうこと?)」
男「You see the Aug 9th. It’s time to do our civic duty time to do our civic duty. And I’m not talking about speeches, fireworks or parade.(8月9日の建国記念日というのは、国民の義務を果たす日なんだよ。義務って、スピーチやお祭りじゃないぜ。)」
女「I like that stuff.(私はスピーチやお祭り好きだけど)」
男「I’m talkimg about the stuff after that stuff. I’m talking about making a baby. Baby Baby you ready?(スピーチやお祭りが終わった後のことだよ。つまり、子づくり。準備はいいかい?)」

要は、独立記念日だから、国民の義務として、子作りしようぜ!
というプロモーション動画です。

こんなCMが、地上波で流れるのだから、本当、すごいと思います。
日本だったら、「帝国主義だ!独裁だ!」だと避難されそうですが、実際、シンガポールは、ある面、帝国的で、独裁国家です。

ちなみに、シンガポールでは、独立記念日は、盛大に盛り上がる祝日です。

■国営の出会い系サイト

シンガポールには、通称SDNと呼ばれる、少子化対策のために設置された政府機関・Social Development Network(社会開発ネットワーク)というものがあります。

こちらが、SDNのwebサイトです。

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シンガポール在住の20歳以上が、登録できるサービスで、このページにいつ訪れても、婚活パーティーや、料理教室など、男女の出会いを期待できる、イベントなどを掲載しています。

こちらに掲載しているイベントの多くは、割安で、参加が出来ることが多いといいます。
といいますのも、婚活事業者や、出会い系パーティー事業者には、SDNから、補助金という形で支援が入るそうです。
更に、このwebサイトで集客まで助けてくれるのだから、婚活事業者は、有り難い限りでしょう。

その他、このwebサイトには、デートで異性を攻略する方法だったり、恋愛コラムなどが、掲載されています。
シンガポールには、国営の出会い系サイトが設置されているのです

■結婚生活の支援も充実

出会って、デートをの支援をする他にも、結婚・子作りも、充実させています。
シンガポールでは結婚すると割安で政府から、HDBという公営住宅が提供されます。
結婚をしたシンガポール国民は、この住宅に住む権利は、21歳からなのですが、独身の場合は、35歳からです。
更に、35歳まで待っても、独身者であれば、住めるのは、中古物件です。結婚すると新築です。

第一子・第二子の誕生には、8000シンガポールドル(60万円くらい)、第三子以降には、10000シンガポールドル(80万円くらい)が支給されるベビーボーナス制度が、存在します。
この数字は、2016年時点ですが、ベビーボーナス制度の支給額は、年々、増加しています。
その他、育児休暇や、子供を産んだあとの税額排除など、様々な施策を実行しています。

■ですが、これだけの政策をしても、出生率は、1.2%前後の推移です。

シンガポールの少子化対策は、出会いの場の提供→デート指南→結婚後の環境整備、と抜かりがありません。
なりふり構わないとも言えるような、下世話な少子化対策の政策を見てきましたが、実は、そのシンガポールでも出生率は、日本よりも低いです。
取り上げた少子化対策施策は、ある程度の効果はあげていると政府は発表しつつも、全体の出生率は、まだ低いです。
国全体が、都市という構造や、教育費が高いということ、大卒女性が十分に社会進出しているという環境が、要因かと思います。

ですが、このシンガポールの少子化対策の政策を見ると、まだ日本でも、取り組める政策は、沢山あると感じざるを得ません。

そもそも、日本では、男女交際そのものや、それを、公に議論することを、けしからんという風潮さえ、未だに、感じることがあります。
けしからんことをしないと、子供は生まれないのにも、関わらず。

少子化対策は、未来への投資であり、経営として考えると、明らかにプロフィットセンターにあたる支出です。
社会保障であるコストセンターへの支出を見直すべきでしょう。

これだけやっても、先進国の出生率はあまり増えないんだ、と思うと、日本の少子化対策は、もっと頑張らなきゃいけないよね、というお話でした。

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