アフリカの子どもに初めて寄付をした話と、途上国支援の未来

アフリカの国をはじめとする所謂途上国に、足を運ぶと、子どもが、物乞いに駆け寄ってくることが、しばしばあります。

アフリカまで行かずとも、今は、日本の地方都市より遥かに発展していると感じるタイのバンコクだって、郊外に足を伸ばせば、そういった物乞いの子どもは多くいますし、カンボジアのアンコールワットの周辺など観光客が多く集まるところでは、いずれも、そういった光景は珍しくありませんので、海外旅行によく行かれている方なら見慣れているかもしれません。

途上国で、外国人物乞いをする子どもたちは、学校に行っていない場合も多く、服・靴も満足に持っていないように見えることも多いです。

そういった子どもたちを目にして、彼ら彼女らと比べたら、紛れもなく裕福な暮らしをする権利を生まれながらにして持った、日本人観光客が、その子どもに、小銭を差し出す気持ちは、十分に理解ができます。
それは、哀れみかも知れませんし、純粋な善意かも知れませんし、その行動を説明できる動機は、いくらでもあります。

寄付から起こりうる悪循環

しかし、そういった途上国の子どもに対する善意の寄付は、良い循環を生まないことも往々にしてあります。

もし、日本人観光客が、お金をあげて、パンを買うお金を得たとしても、それは、一度パンを買ってお腹を満たしたらなくなるお金で、次の日も、子どもは、物乞いを続けます。

というようなケースは、まだましな例で、親が、子どもに物乞いを勧めているというようなケースというのも、珍しくありません。
子どもを、学校に行かせず、物乞いに出して、お金を稼がせるんですね。
親が一ヶ月、真面目に働いても、給料が50ドルしか貰えず、子どもを、毎日物乞いに出した場合、観光客から貰うお金が、親の給料と同じくらい、または、それ以上集まるならば、どうでしょう。
貧困家庭としては、子どもを学校に通わせるより、観光地に物乞いに通わせたほうが得だろうと、短絡的に判断してしまうには、十分だといいます。

もっと酷いパターンは、子どもの手を切断して、物乞いに行かせるというような例もあるようで、より同情を集め、外国人から、お金を貰えることを期待しているといいます。

こういったことを考えると、安易な「恵まれない子どもへの寄付」は、考え直す必要があるでしょう。
むしろ、物乞いの子どもに、お金をあげて、彼らの生活が本質的に変化する可能性は、ゼロに近いです。
僕も、様々な国で、こういった物乞いの子どもに、話しかけられてきましたが、一切のお金を差し出したことはありません。

東アフリカはタンザニアで、ストリートで出会った子どもに寄付をした話

ところが、今年の夏、自分でも驚く行動ではあるのですが、タンザニアの都市ダルエスサラームで出会った、ある子どもに、物乞いをされ、お金をあげました。
お金をあげた子どもは、ストリートで声をかけてきた子どもではありますが、上述したような、ステレオタイプの物乞いの子どもではありません。

タンザニアという国については、過去に書いたこちらの記事をご参照下さい。

参考記事:7月開催!東アフリカ最大規模・国際商業見本市アテンド企画

英語も結構そこそこ流暢に喋れて、服も汚くないものを着て、間違いなく学校に通っているだろう子どもです。

決して富裕層ではありますが、「恵まれない子ども」というようなイメージとは、ずいぶん離れた子どもです。
むしろ同じタンザニア国内で、この子どもより、お金を必要としている子どもは、いくらでもいるでしょう。写真を撮っていたのですが、この直後iphoneを盗難に合って、写真消失。
(普段はクラウドに自動保存にしているのですが、アフリカなどにいる間は、重いデータを通信したくないため、常時接続にしていないのです。)

この子どもは、よくある他の例と同じように、外国人である僕に、金銭を要求してきたのですが、その要求のしかたが大変特徴的でした。

5人くらいの、10-14歳程度と思われる子どもの集団だったのですが、そのうちの一人が、将来、サッカー選手になりたいのだといいます。
だけど、学校で使えるサッカボールはちゃんとしたものではなく、また、学校から帰って家で、練習できるサッカーボールもない。
なので、サッカーボールを購入出来るお金をもらえないか、お金持ってそうな外国人に話しかけ回っているというのです。

外国人に物乞いをするのに、ここまでお金が欲しい理由を説明することだけでも大変珍しいですが、この子どもの集団は、さらに以下の点が、特殊でした。

・5人くらいの子どもの集団が、その内の、サッカーボールを欲しい1人のために、一緒にお金を集めている。(まあ皆、時間余って暇してるんでしょうけど。先進国と違い娯楽は少ないですからね。)
・外国人に対して、英語で、自分の夢をプレゼンして、要求を伝える。

今まで、途上国と呼ばれる地域で、外国人にお金をせびる子ども・大人を、随分、見てきましたが、このように金銭を要求する様子は、とても新鮮で、僕は、そのとき、現金で持っていた40ドル相当の現地通貨を現地通貨を全て、その子にあげました。
アフリカや東南アジアなど様々な地域に、旅や仕事など、様々な形で足を運んだり、関わってきましたが、寄付という行為は、僕にとって、これが初めてです。

英語で、自分の夢を、外国人に対し語って、お金が欲しい理由を論理的に説明していることに感動したのです。
かつ、同じ子どもが、5人も、それを手伝っていることが、彼の信用のようにも思えて、僕の財布の紐を解きました。

実際に、そのお金を、彼がどのように使ったか、その後を、僕は知る由もありませんが、サッカーボールを買って、真面目に練習していることを願っています。

近い未来に一般的になるだろう支援の形

途上国と呼ばれる地域での、子どもの未就学の問題、生活状況の改善をする方法は、支援や寄付ではないと僕は、考えていますが、それでも価値のある寄付の形というのは、たしかに存在すると思います。

この記事の冒頭で挙げた、寄付から始まる悪循環は、往々にして起こるという現実を知りながらも、支援活動をされている方も、いらっしゃって、それぞれの手法で工夫されています。

さらに、もう少し先の近い未来、アフリカの奥地にいる人も、無料でインターネットに繋がるはずです。
Facebookやgoogleなどの企業が、上空からドローンを飛ばして、限りなく安価でインターネットを提供しようとしています。
2016年の現時点でも、多くの国で、Facebookは、無料でアクセスできるようになっております。

また、銀行口座を持っていなくても、インターネット上で、ビットコインなどの仮想通貨を通して、世界中から小額でお金を受け取れる仕組みも、一般的になるはずです。

僕は、ストリートで、サッカー選手になる夢を語る子どもに出会いましたが、10年後は、こういった子どもが、インターネットに繋がり、動画などで自分の夢をプレゼンし、支援を受ける機会を得るでしょう。
それは、一切の仲介機関を通さず、彼らが、彼ら自身の声で、彼らの責任で、お金を求めるということです。

これは、テクノロジーの進化以外にも、リテラシーの向上も必要とされますが、こういった世の中が訪れると思います。
ストリートで、夢を外国人に対し、英語でプレゼンし、支援を受けようとしたアフリカの子どもに、そんな未来を感じました。

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