トランプ次期大統領が、これまで行ってきたビジネス上のモラルハザードで、最も酷いものを3つをまとめてみる。

大統領選挙に当選したトランプは、様々な訴訟をこれまで抱えてきてきたことはご存知に通りかと思います。
選挙中も、ヒラリーから、過去の数多くの事例を指摘されていましたし、彼のビジネスに常識とされるモラルが欠けていたことは事実は、誰にとっても、周知のところでしょう。

今でも借金だらけとか、レイプ疑惑とか、過去の倒産履歴とか、本当に色々あるけど、彼がしてきたビジネスでのモラルハザードで、なかでも最悪なものをまとめてみました。

実は、ヒラリーって選挙キャンペーン中、トランプの人種差別や、女性への発言など、とにかく色々指摘していたけど、この3つに明確に絞って指摘するべきだったのではないかなとも、少し思ったり。

 

1.個人でありながら、Too big to fail(大きすぎて潰せない)の存在に

1980年代、トランプは、32億ドル(約3500億円!)の負債を抱えていたといいます。
アトランティックシティに3つのカジノを営業していた時期で、 そのオープンに必要な資金を調達するために得た融資が、ここに多く含まれます。
カジノの営業利益が計画を下回り、銀行への利払いが滞りはじめるのに、時間はかからず、融資の乗り換え、ジャンク債の発行まで試みていたそう。

1990年、支払期限を過ぎたローンも多く発生していて、銀行はトランプに破綻処理の要求と、迅速な資産売却を求めていたといいます。
シティバンクのと契約する法律事務所に、ウェイル・ゴットシャルの不動産弁護士、アラン・ポメランツによると、トランプは、自身の取引先、銀行の担当者数十名を集めて会談を試みたといいます。
その会談で集まった銀行家は、それぞれの帳簿を見せあった。
そのときに明らかになったことは、トランプの債務は、72の銀行のネットワークに広がっていたこと。
債権は切り売りされ、ヨーロッパや、日本の銀行にも、流出していたといいます。

この会談によって明らかになったことは、どれか1つでも債務不履行になれば、債権は共倒れになる可能性が高く、結論として、破綻処理をさせるのではなく、トランプの暴走を抑えつつ事業を継続してもらうしかないということに至ったという。

つまりトランプは、個人でありながら、Too big To failの存在になってしまったわけです。
しかも、更に驚くべきことは、この会談は、トランプから持ちかけたものであるということで、その強かさは常軌を逸しているといえます。

 

2.株式公開の目的は、自分の借金返済のため

トランプの関与する全ての会社は、2016年現在、株式市場に上場をしない未公開企業ですが、1995-2004年までの約十年間、上場していた時期があります。
前述したように、1980年代半ばから、1990年代は、トランプが、多額の借金の時期で、そもそも上場の目的は、公にはカジノ事業の拡大としていましたが、実態としては、トランプの借金を返済するための上場だったといえます。
上場時、一株当たり14ドルで、1億4000万ドルを調達し、次の年には、同社の株は、公開価格の9倍の36ドルをつけた。(得意の誇大マーケティングで株主に夢を語ったのだと思われる)
トランプは、その調達した資金と、市場で高騰した株式で、自身が所有する借金で腐敗した、アトランティックシティで運営していたカジノ・タージ・マハルを売却した。
買い手は、公開会社でしたが、最大の議決権を有するのはトランプであって、カジノの売り主もトランプであるので、この取引の価格は、トランプが自由に決めることができたといえます。
実際、アナリストの評価額より、遥かに高値で取引されたといいます。
要するに、株式市場を、自身の借金を解消するための、お財布にしたのです。

なお、その後、粉飾の疑いで、2005年に上場廃止になっている。

3.トランプ大学は、ありがちな自己啓発セミナー

トランプは、2005年から2010年までの間、トランプ大学という不動産ビジネスを教える学校を行っていました。

そもそもトランプは、不動産王という触れ込みが目立ちますが、不動産は、彼のトランプブランドを飾る道具といっても過言ではなく、いわば色物不動産業者といっても良い存在です。
学校自体は、「不動産ビジネスを学んで、金持ちになろう!」という触れ込みで、受講生を集めたものの、実態は、自己啓発セミナーであったといいます。
不動産ビジネスを学ぶ要素など何もないという苦情に応じて、実際に物件を見て回る時間なども設けられたといいますが、

トランプ大学の仕組みはよくある自己啓発セミナーと仕組みは、同じで、最初は、無料のセミナーを開催してカモとなる人間を集め、その後、お金を払いそうな人間に様々な高額商品を売りつけるというモデルです。
3日間のワークショップが1495ドル、コーチングコースが、3万5000ドルが主力商品だったようで、ワシントンポストによると、勧誘のための無料セミナーは、アメリカ中700ヵ所で、合計8万人が出席(!)したそうで、そのうち1万人近くが、3日間にワークショップに申込んだといいます。

結果的に、この大学は、2件の集団訴訟を抱えていて、受講者の返金に応じています。
もちろん教育機関の基準を満たしていないので、大学という名称を使用することが適切でなく、これも裁判で指摘され、撤退の要因になっています。

 

だからこそ選挙で勝てたのだろうとも言えそう。

さて、今回は、トランプのビジネス周りで、彼のしてきたモラルハザードをまとめてみました。
しかし、これらの事項を並べて、大統領としての資質を問うのはともかく、ヒラリーに選挙で勝つのは、妥当だなとも思います。
銀行からの破綻処理要求を有り得ない形で突っぱねたり、モラルはおいておいても資本主義社会で最大限レバレッジをかけること、数多くある自己啓発セミナーを誰よりも大規模にやること、その豪快さと強かさは、規格外だと思う次第。
彼のことを結構勉強しても、彼から見た世界がどのように写っているか全然、想像つかないです。

この記事は、ワシントン・ポスト紙によるトランプの取材本を参考にしました。
ワシントン・ポスト紙が、3か月にわたって20人以上の記者を投入し、トランプの人生を徹底取材し、大統領選挙本選直前に出版されたものです。
トランプ公式の自伝も、それはそれで参考になりますが、現在、読める本で、最も中立の立場で、詳しくトランプがどういった人物か追うことが出来るのは、こちらかと思います。

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