中国当局にとってビットコインは、そもそも規制すべき資金流出の懸念なのか?

様々な大手一般メディアで、ビットコインによるキャピタルフライトが行われていると話題になっています。
インドや、ベネズエラでもビットコイン需要が高まっていますが、ボリュームとして最も大きいのは、中国です。

“火幣では1日の送金額の上限をドル換算で15万ドル強の200ビットコインに設定。中国は個人の外貨両替を年5万ドルに制限するが、ビットコインは規制にかからない。
中国では海外へのマネー流出が続く。中国の統計によると銀行を介した資金の出入りは11月まで17カ月連続で資本流出が流入を上回った。累計流出額は5千億ドルを超える。中国の外貨準備は11月に前月比で700億ドル近く減少。中国通貨当局は警戒を強めており、ビットコインから元やドルへの換金を制限するなどの規制強化を検討しているもようだ。”

ビットコイン取引最高、11月15兆円超 9割が中国

以前から、中国でビットコインによる資本流出は、ささやかれていて、規制はいつかは本格化するだろうと、ずっと囁かれてきました。
そして、規制が行われるとしたら、中国の取引ボリュームや、マイニング企業の存在を考えると、ハッシュレート減少によるセキュリティ低下・価格に対する影響は、大きなものになるだろうと危惧されていきました。

ビットコインを中国からの送金に使おうが、中国国内の外貨は一切、減少しない。

その中国のビットコイン規制はいつになったら本格化するだろうと考えてみましたが、そもそもビットコインは、中国にとって本当に資本流出なのだろうか?
最近、ビットコインは、中国にとって、全くの資本流出になりえず、それが中国当局にとって、規制の理由には妥当ではないような気がしてきました。

資本を中国国外に持ち出したい人が、ビットコインを使う場合、中国国内でビットコインを買って、ビットコインを国外に送るわけで、むしろ中国に法定通貨の資本は留まります。
もちろん、各個人は、キャピタルフライト目的でビットコインを利用していることも多々あるでしょうが、中国国内自体の外貨残高は1ドルも減らさないで、外貨送金需要を満たしているといえます。
そのビットコインを米国や日本に持っていって、ドルなどに換金するわけだから、ビットコインの需要によって、外貨残高が減る国家をあえて挙げるとしたら、中国ではなく、マイニングをしないのに、ユーザーが多数いるアメリカや日本です。

新規で発行されるビットコイン自体のほとんどは、マイナーが寡占化している中国国内で発行されています。
ビットコインの仕組みは、コンピュータが、ビットコインネットワーク内のトランザクションを計算するマイニングによって成り立っており、計算をするインセンティブとして、新規発行のビットコインをもらえることで、それが維持されています。
このマイニングには、膨大な設備投資と電気消費が必要で、電気代が安い中国にマイナー企業の過半数以上が集まっています。

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マイニングプール分布。2016年12月時点。
https://blockchain.info/ja/pools?timespan=4days

中国で採掘されたビットコインが、いくら国外に持ち出されようと、中国にとって、資本は流出していないともいえ、むしろビットコインは輸出産業領域という見方が出来なくもありません。
僕や皆さんが大事にしているビットコインは、Made in Chinaの輸出品です。
これが中国のビットコイン規制がいつまでも本格化しない理由かもと思い始めました。

いずれにしてもマイニングの寡占化は大問題である。

これまでの中国とインターネットの歴史を調べていくと、本当に資本流出と懸念するなら、とっくにマイニング企業とか摘発されてるはずです。
グレートファイアーウォールなんて構想自体は、1997年からされていた国ですので、本当に懸念しているのならば、既に動いているはずだろうと想像します。
恐らく、現時点で、中国当局は、規制しないほうが自国にとって利益だと考えているのだと思います。

いずれにしても、中国当局にとって、資金流出の懸念になっても、ならなくても、マイニング企業が中国に集中している状況は、ビットコインにとって大問題です。
更に、問題なのは、この中国のマイナー寡占化の現状が解決される現実的なシナリオがほとんど生まれていないことです。
すでにマイ二ング大手のBitmainが、これから更に大きなマイニングプールを増設することを計画していますし、ハッシュパワーはより集中します。
しかも、他の国のマイニング企業が追随しようとしても、マイニング機材の初期投資は膨大(中国の運営が長いマイナー企業は、初期設備投資は回収済)で、そのマイニング機材は中国製だったりするので、輸入には関税がかかったりする。
また採掘したビットコインを、採掘した国内で、十分に売却できる取引ボリュームがある市場が存在していることも中国の強みです。

ビットコインの規制は中国にとって合理性がないのではという仮説

マイニングの寡占化は問題ですが、以上のような理由で、中国政府は、しばらくビットコインを規制しないのではという考えです。

ビットコインが今まで以上に需要が高まり、そのときも中国にマイナーが寡占化していたら、中国当局が、マイナー企業に「市場に出す前に、政府に少しビットコインを渡してね。」なんてことが行われることも、考えたくりませんが、有り得ない話ではありません。

自国でゴールドが大量に採掘されるのに、そのゴールドの価値を下げるようなことをするような規制をその国が実行するのかという疑問です。

しかもゴールドのマーケットプレイスも、中国国内でコントロールしようと思えば可能でしょうし、今の段階で規制する意味がないという理論です。

という仮説をたてると、中国当局が、ビットコインを規制することは、全く合理性がないのではと考える次第です。

そういえば、様々な方が絶賛していた『デジタルゴールド』を読み始めています。大変おもしろく、別途ブログを書こうと思います。

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