インドやベネズエラのような新興国での、ビットコインの高騰について思うこと

インドやベネズエラのビットコインの価格が高騰しています。
ベネズエラは、通貨危機による自国通貨の大幅な下落したことからの資金流出。同国は、財政危機常連国でもあります。
インドでは、モディ政権による、500ルピー紙幣と1000ルピー紙幣を緊急廃止することを発表したことにより、法定通貨から、政策に左右されることがないビットコインに資金流入がおきていると見られています。

特に、インドの紙幣廃止は、発表からわずか数時間後に、すぐに廃止をするというスピード感で、市場に出回っている80%が一度無効になり、新しい紙幣と交換しなければいけないという強行政策は、日本のニュースでも大変話題になっていたように思います。

下記は、CNNの報道による、現地の様子ですが、なかなかカオスな様相になっております。

その他の国では、ナイジェリアやブラジルといった国でも、ビットコインの需要が高まっており、指標価格より、プレミアムが上乗せされている状況です。

2016年下半期のビットコインの価格の高騰は、こういったキャピタルフライトが後押しした高騰だとも言われており、ビットコイン需要全体で、それがどの程度含まれるかは全くわかりませんが、それは事実でしょう。

僕は、インド・ベネズエラには、足を運んだことはありませんが、平均的な日本人より、新興国、または自国通貨に対する信用が弱い国などに訪れてきた経験が多いはずですので、現在、こういった新興国でビットコインが求められはじめている現状について、思うところを少し書きたいと思います。

外貨規制を行い、国民にお金の自由がない国家は、日本人が想像する以上に多い。

まず、こういった需要が顕在化するのは、当然であり、今後さらに顕在化するだろうということです。

日本にいると気づきにくいかもしれませんが、世界には、外貨送金ができない国であったり、自国の通貨が信用に値しない国というのは、多くの人が想像する以上に沢山存在します。
例えば、最近、僕が足を運んだ国ですと、エチオピアがまさにそうで、外貨送金が禁止されています。
国際送金サービスのウエスタンユニオンなどの支店は、首都アディスアベバの支店に多くあるものの、あくまでそれらは出稼ぎ移民からの送金を受け取るための店舗で、エチオピアから外国に向けて送金することは出来ません。

また、僕たち外国人が、エチオピアに旅行にいって、USドルから現地通貨・エチオピアブルに両替すると思いますが、エチオピアブルからUSドル・その他の通貨への逆の両替は国内で禁止されています。一方通行です。
闇市場では、もちろんドルにプレミアムが乗った上で、交換できるのですが、公式には禁止されている状態です。

ドル紙幣を交換できても、それを国際送金は出来ないでしすし、空港で多額のドル紙幣(といっても数千ドル)を持って出国しようとしたら、イミグレーションに呼び止められます。

アフリカの国ですと、ハイパーインフレに陥ったジンバブエや、原油不足のナイジェリアでの資本規制は、よく耳にするかもしれませんが、エチオピアの事例は、はじめて耳にする方も多いのではないのでしょうか。

なお、エチオピアについては、こちらのエントリーでも触れておりますので、ご参照ください。
参考記事:未だ、社会主義の影響も残るアフリカの国、エチオピア

一例としてエチオピアを挙げましたが、国民にお金の自由が担保されていない国というのは、想像以上に多くあるものです。

新興国でのビットコイン需要は、まだ始まったばかり

そういった国をいくつか見てきて思うことは、新興国での需要が高まっていますが、見落とされがちなのは、場合によっては、該当国の現地通貨はもちろん、現地のアメリカドル紙幣以上にビットコインのほうが求められる可能性もありえるということ。
銀行から国際送金も無理、空港で、ドル紙幣所持がばれたら出国できない国で、誰からも規制されないビットコインが、ドルより求められるようになる理由は十分にあるといえます。

次に、いくつかのビットコインのメディアなどで、インドでビットコインが凄い買われている、みたいな煽り方をされているのも見かけますが、推測ですが、実際に、ビットコインを買っているのは、ごくごく僅かだろうということです。

インドは存じませんが、いくつかの新興国で、ベンチャー起業をしたい人たちや、プログラミングを学習する人たちが集まるインキュベーションセンターのような施設にも行った際、そこにいる若い子に、ビットコインについて聞いても、多くの人はそんなもの聞いたこともないと答えるのが相場で、ほとんど認知されていないというのが、2015-2016年上半期時点での所感です。
推測にはなりますが、インドやベネズエラでも似たようなもので、現在、ビットコインを買っているのは、ごくごく一部だと想像します。

そもそも当該国に、ビットコインの現物がどの程度流れているかというのも、恐らくたかが知れているでしょう。
と考えると、新興国のキャピタルフライトによるビットコイン需要は、はじまったばかりと考えるのが妥当かと思います。

2017年も昨年と引き続き、ドル高・米国利上げにより、新興国のマクロ環境は厳しいものになると思われますので、外貨不足に陥る国は増え、それに伴い、ビットコイン需要も高まるだろうと予測します。

因みに、これまでこういった外貨送金が制限されている国で外貨を持ち出すメジャーな方法は、袖の下か、その人自身が政府の高官とか、そのお友達というケースでした。
外貨送金が制限されているはずなのに、その国の政権のトップが、国外のリゾート地で別荘を持ってたりなんて、モラルハザードは平気な話です。

ビットコインによって、少しでも健全な社会に向けて進んで欲しいところです。

また、中国でのビットコインによる資本流出は、別途下記のエントリーで触れていますので、こちらも合わせてご覧ください。
参考記事:中国当局にとってビットコインは、そもそも規制すべき資金流出の懸念なのか?

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