【2017年のビットコイン予想】価格を左右するイシューと、それらについての所感

ビットコイン界隈の多くのブロガーが、予想記事を書いていて、自分も書きたいと思っていたものの、気がつけば、年が明けて一週間経ってしまっていました。
後発で、恐れ多いですが、自分も今年の予想記事を書きましたので、ご参考になればと思います。

結構、みなさん正確な数字を出されてて凄いな、と思うのですが、自分は、そこまで数字を予想することは出来ないので、あくまで年内の価格にレンジとしては、

1BTC=600-1200USD

と見積もってます。
「レンジ広すぎて、価格予想になってない!」と言われそうですが、とりあえず年明け直後の暴騰相場を越える高値更新は、年内には起こらないと予想しました。
基本的に、相場としては年間を通して厳しいものになり、ビットコインが将来的にスケールするには、試練の年になるだろうと思っています。

価格を含め、ビットコインの今年、注目されそうなイシューを整理して、それぞれに対する僕の所感をまとめていきます。

■スケーラビリティ/SegWitのアクティベート

最も懸念されているイシューは、もちろんこちらでしょう。
長く引きずっているビットコインのスケーラビリティの問題は、変わらず継続しています。
現状、ビットコインは、秒間7トランザクションしか処理することしか出来ず、今後、より多くの人にビットコインが利用されるためには、この限界トランザクション数の向上が不可欠です。

これに対する最も有力な解決方法だと最近、議論および、開発がされていたSegWitは、昨年下半期に申請されましたが、投票は、25パーセント以上の賛成票を得ることが出来ずに、頭打ちになっています。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2017-01-09-21-03-50

ビットコインの開発は、トランザクションを処理する計算、ハッシュレートを保持しているマイナーの合意を得られなければ、採用がされません。
SegWitの詳細な説明については、ここでは省きますが、簡単にひとことで説明すると、ビットコインのトランザクションに、本来含まれていた署名の一部分を省略し、別の部分に格納をする技術です。
これによって、ブロックサイズは、現在の1MBでも、処理できるトランザクション数は、多少解決し、その後のライトニングネットワークなどの新しい技術を進めることにも繋がると期待されています。

SegWitを推進しているのは、CORE派ですが、これにunlimited派が反対していて、SegWitの採用が進んでいないというのが、2017年1月上半期時点での状況です。
SegWitを反対する理由に関しては、SegWitの技術仕様が複雑で、ウォレットサービスを対応も必要であったり、今後導入される技術仕様も左右するものだから、慎重に行うべきだ、というようなところが主要な反対意見です。
また、それらが、core派によって、申請されることは、今後の開発主体が奪われることを連想したunlimited派の感情的な反発もあるといわれています。

いずれにしろ、ここまで長くなったこの論争は、CORE派・Unlimited派の対立は、相当に深刻であると捉えて間違いないでしょう。

最近では、チェーンを分岐し、ビットコインを2つに分離したほうが良いという議論もされるようになってきましたが、対立は、そこまでドロ沼化しているということです。
僕の見解としても、ブロックサイズもかなり混雑していて、2015年頃から、これについては、対応を急ぐべきだと言われていたにも関わらず、長期化してしまったこの問題は、もはや分裂したほうが良いだろうと考えています。

下記は、直近のブロック高推移ですが、ネットワークは常に混雑しており、トランザクションは、遅延しています。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2017-01-09-21-07-18

(2016年下半期のブロックサイズ推移)
もはやディフィカリティを調整して、スモールブロックのまま開発するデジタルゴールド派と、容量増やして、segwitも実装してレイヤー化を進め、決済としての機能も拡張させる派に分離したほうが良いのではというのが、個人的な見解です。

ビットコインの価格は、2016年末、segwitの投票が遅れているにも関わらず、上げ相場を継続していて、この問題がどれだけ深刻に織り込まれているかは、怪しいと言わざるを得ません。
もっとも折り込んだ上で、相場が上がっているのかも知れませんが、実際にビットコインが分裂する事態になったら、市場は混乱し、少なくとも短期的な売りは避けられないでしょう。

去年に引き続きですが、スケーラビリティとSegWitのアクティベートについては、最重要案件です。

■一般に対するビットコインの認知と普及

日本国内では、bitFlyerが、日経新聞などに、大規模広告をだして、一般でもビットコインの認知が少しずつ高まっています。
実際に、日本市場でのビットコイン価格がINDEXより高値で推移していて、年明け一週間のビットコイン相場は、日本市場が牽引したものだと考えています。
著名ブロガーのイケダハヤト氏などが、ビットコインを購入しはじめたことなどが話題になりました。

こういった一般層の新規参入は、ビットコインが怪しいと言われていたときから、ビットコインの可能性を主張していた人にとっては感慨深い流れだと思います。

さて、こういった人々は、上述したビットコインのスケーラビリティ問題を気にしていないだろうから、価格は下げないのでは?という声も耳にします。
確かに、こういった人は、segwitやビットコインの開発をめぐる対立は気にしないでしょう。

しかし、もっと指摘するならば、新規参入者は、ビットコインを、ただただ中央管理者が不在で、送金手数料が安く、国を跨いで送金でき、かつ決済時間も早いと勘違いしているふしがあります。
しかし、現実のビットコインは、現状では、ネットワークは遅延し、送金が遅く、手数料もあがっているし、問題は沢山あります。
問題を認識していない上での買い需要は、バブルでしかありません。
短期的には、一般層の新規参入により、価格が上向くかもしれませんが、時間とともに、実際の問題の認識についての理解が進むとともに、その実態に合わせ、価格も収斂していくだろうというのが、僕の予想です。

■中国でビットコインの規制が起きる可能性

多くの方は、中国でビットコインによるキャピタルフライトが、深刻化されて、いずれ規制されるだろうと心配されています。
ですが、僕は、中国は、ビットコインをマイニングが最も行われている国ですので、中国にとって、ビットコインが流出しようと外貨残高は減っておらず、資本流出はしていないという主張をしています。
詳しくは、以前のブログをご覧ください。

【参考記事】中国当局にとってビットコインは、そもそも規制すべき資金流出の懸念なのか?

様々な大手一般メディアで、ビットコインによるキャピタルフライトが行われていると話題になっています。 インドや、ベネズエラでもビットコイン需要が...

ビットコインにとっての最大のリスクは、中国当局によるマイニング企業の取締りではありますが、こういった仮説をたてると、それが行われる可能性は、低いと見積もっています。

ただし、中国国内の各取引所に対するレギュレーションや、仮想通貨/暗号通貨に対する法整備は、そろそろ行われても良いころでしょう。
ただし、上述のように、マイニング企業が差止めされるような規制と、取引所のガバナンス向上を計ったり、マネーロンダリングなどを防止する規制は、全く別物です。
実際に施行されるのは、後者の規制のみである可能性が高く、その規制は早くされるべきですが、規制が導入されるときは、市場は、混乱をし、一時的な売りは避けられないかと思いますし、中国国内の取引所の出来高が減少する可能性はあります。
ですが、中長期的には、特に心配するイシューではないと思います。

僕は、ビットコインが、中国にとって、本質的な資本流出ではないと主張していますが、相場は、人民元安や中国の景気に反応します。
これは、2017年も引き続き注視していきたいです。

■新興国で高まるビットコイン需要

2016年の下半期は、インドやベネズエラでビットコイン価格が高騰し、注目を浴びました。
これは、以前のブログエントリーでも書きましたが、これは一過性のものではなく、需要は間違いなく継続するでしょう。

【参考記事】インドやベネズエラのような新興国での、ビットコインの高騰について思うこと

インドやベネズエラのビットコインの価格が高騰しています。 ベネズエラは、通貨危機による自国通貨の大幅な下落したことからの資金流出。同国は、財政...

ただし、各新興国で高まる需要は、インドのような紙幣廃止というトリガーがない限り、急激に需要が高まることはなく、緩やかに需要が顕在化していくと考えています。
急激に需要が高まらないと判断する理由として、各新興国に流入するビットコインの総量は、そこまで多く見込めないと思うからです。
例えば、アフリカのジンバブエで、ビットコインの価格が高騰したとしても、僕は、ジンバブエでビットコインを売却することはないでしょう。
なぜなら、ジンバブエでUSDを受け取っても、そのUSDをジンバブエの外へ持ち出すことは容易でないから、売るメリットがないのです。

こういったことを考えると、各新興国に対する、ビットコインの流入は、急激には起こらず、緩やかに行われると考えて良いかと思います。
取引所を運営する企業も、新興国で、取引所ビジネスをしても、利益はなかなか見込めないことは変わらないでしょうし、引き続き、Local Bitcoinなどで、小規模なマーケットが少しづつ成長する流れが継続するだろうと予想しています。

今後、需要は、次第に顕在化していくものの、まだ時間はかかるだろうというのが、僕の見立てです。
しかし、まだ時間はかかるだろうという、僕の意見は、新興国での潜在的なビットコイン需要は相当なものだと考えているからこそだという点を強調しておきます。

通貨の信用なんて、脆いものであるということは、過去のブログで何度も取り上げている通りです。

参考記事】史上最もハイパーインフレしたジンバブエドルが、刷新。歴史は、繰り返す?

英エコノミスト誌の報道によると、ジンバブエ中央銀行は、インフレして使い物にならなくなったジンバブエドルを刷新し、新ジンバブエドルするそうです。...

Localbitcoinの取引高推移は、下記の通りです。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2017-01-09-23-36-06

なお、国別の取引ボリュームもこちらから確認できますので、興味あるかたはどうぞ。

https://coin.dance/volume/localbitcoins

 

■米国でのビットコインの規制・ETF上場

現状、アメリカでは、ビットコインに対する標準の法律はできていません。
ニューヨーク州に関しては、法律が施行されていますが、ビットコイン関連企業にとっては、厳しい内容になっているのが現状です。
また、2016年末は、カリフォルニア州で、運営しているビットコイン大手取引所Coinbaseにha、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)が顧客情報の開示を求めて、もめたりもしています。

金融商品として、まともに投資できる対象になっていなのが、現状といえるでしょう。
そんななか、ウィンクルボス兄弟(Facebookの元ネタは彼らのものでマーク・ザッカーバーグにアイデアをパクられたっと主張する兄弟だ。)は、BATS Global Exchange(スタートアップ向け市場)に上場準備をしているとされています。
同兄弟のThe Winklevoss Bitcoin Trustが、上場されれば、いままでビットコインを購入できなかった層からの資金流入も期待ができるでしょう。
ただし、このETF上場についての話は、かなり前から出ていたもの実現に至っていなく、今年、上場出来るかは不明です。

まとめ

他にもいくつか2017年のビットコインを左右するイシューは考えられますが、もっとも重要になりそうなものと、その個人的な見解をまとめました。

結局のところ、一番大きなイシューは、やはりスケーラビリティに関するところでしょう。
直近のブロックサイズは、ほぼ限界に近くなっており、スケーラビリティの問題は、今年は、もう先送りすることが出来ないでしょうし、いつかは施行されるであろう中国政府によるビットコインへの対応も、そろそろあるであろうと予想されるのが、2017年です。
僕自身は、ビットコインは、長期的視点では、スケールし成功をすると期待し、その可能性も高いと考えています。
ですが、今年は、そのために、ビットコインが乗り越えるべき試練が多い年でもあると思っています。
そのため、一応相場予想として、数字をだすなら、直近高値の1200USDを超えてくることはないのではとしました。
予想レンジで、下限を600USDにした根拠としては、マイナーの損益分岐点を意識しています。
実際の損益分岐点は定かではないですが、2016年の半減期時点で300USDちょっとがマイナーの損益分岐点とささやかれていたので、マイナーの数も増えているので、単純にはいえませんが、損益分岐点はその付近にあると仮定し、現物を拾いたい人は意識するポイントだろうと考えています。

今年も、この界隈は色々あると思いますが、勉強を怠らず、マーケットおよび、ビットコインと向き合いたいです。

■INFORMATION
■ブログ著者のプロフィール
■筆者のTwitterをフォローするー
■年間50回ほど飛行機の乗る、ノマド生活をしている筆者が、持ち歩いているガジェットや、トラベルグッズ

■初心者向けに、ビットコインに関する情報をまとめました。

■[途上国・新興国研究所] アフリカ地域をはじめとした途上国、新興国をテーマにしたオンラインサロンを運営中です。 途上国、新興国にとどまらず、世界で働く、国を跨いで働くということに感心がある人の集まったコミュニティです。
■ビットコインの投げ銭で、ブログを応援する。CloudTip  

関連記事

国際送金としてのビットコインを考察。タイの会社に送金してみたよ。

【2017年版】ビットコインFX・信用取引で使う取引所を選ぶときの3つの基準。お...

[初心者向け]初めてビットコインを手に入れる・購入する方法

ビットコインとノマド

日利5%や高配当のビットコインHYIP投資に興味を持つ、欲深き人へ捧ぐ。

衰退する日本経済と仮想通貨をテーマに描いた物語。アンダーグラウンド・マーケット。