シンガポールから見る、民主主義と資本主義の相性の悪さ

現在は、シンガポールに来ています。

明るい北朝鮮と揶揄される都市国家

夜のマリーナベイサンズは、カップルのデートの場でもあり、それと別に、最近は、ドローン愛好家であるギークたちが集まる場でもあるのが、面白いです。

ご存知の方も多いと思いますが、シンガポールは、一党独裁による言論統制など、管理社会であることで知られています。
そしてそれ故に、徹底した効率化社会を形成することが出来、30数年まで、1つの途上国にすぎなかった小国が、アジア1の都市国家になりました。

チューイングガム禁止法は、有名で、街は非常に清潔、歩いていても、管理された社会である様は、ひしひしと感じます。
ほか、効率化を進める未来のプロジェクトとして、「スマートネーション計画」が、現在進行形で進んでいます。

国家全体にあらゆるセンサーが、設置され、あらゆる情報を収集し、その情報は、そのまま「バーチャルシンガポール」というデータベースに保管され、そのデータは、ディープラーニングされると言われています。
因みにセンサーが、国中に張り巡らされると、現在、シンガポールが国家として、進めているドローン配送においても、ドローンの墜落を未然に、防ぐことが可能になり、まさに、その名の通りスマート国家と呼べるでしょう。

さて、日本と比べると、異次元の効率化を追求するこの国は、最近では、「明るい北朝鮮」とさえ、揶揄されたりします。
そんな皮肉の声を受けながらも、独裁政権による資本主義を極めたシンガポールは、そもそも、1965年に独立しましたが、名誉ある独立という形ではなく、マレーシア連邦からの追放でした。
水すら時給できない国であり、そういった国が、半世紀の間に、これだけの成長をしたというのは、歴史に前例のない快挙です。
その水の自給についても、海水の淡水化などにより克服しつつりあります。

そして、それを、可能にした要因は、リー・クアンユーによる、圧倒的なリーダーシップとトップダウンであり、日本が戦後から1980年代までに経験したような成長とは、全く異なります。
シンガポールは、独裁政権だからこそ、国家として、現在の地位を得たのです。

民主主義は、少なくとも、国家が成長することにおいて最適なシステムではない。

これは、ローマ帝国が発明して、アメリカが絶対的なものとした民主主義というシステムを見直す事例でもあるでしょう。
少なくとも、民主主義を無条件に正義とするという考えは改めるべきだろう。
もし、ある日、例えば、ジンバブエが複数統制の分権を採用し、民主主義に移行したら、日本のメディアは、それをポジティブに報道し、また、ほとんどの人は、その通りポジティブに受け止めるはずです。

ですが、複数統制による民主主義の欠陥は、選挙による票の獲得するために、安売り政策しなければいけないことにあります。
指導者の立場になるには、有権者を甘やかす政策を売りにしなければならないのが、必須要項になっています。
結果、日本、アメリカ、ヨーロッパ、ほぼ全ての国で、起こっている現象は、収税能力を上回る福祉を捻出する制約をお約束しないと選挙戦で勝つことは出来ず、それを、まだ投票権を持たない将来の世代に負担をおしつけ、債務を膨らませています。
そして、それに行き着いた先が、ドナルド・トランプなのです。

これは、明らかに民主主義と資本主義の相性の悪さであり、民主主義の欠陥といえます。

シンガポールのシステムにも、問題は多々あるし、そもそも他の国家が採用して再現性のあるものかというと難しいでしょう。
そして、リークアンユーという存在があってこそのモデルでもあり、彼が亡くなった今、このシステムをこれからも維持できるかは、分からない。
ですが、いずれにしても、多くの国が民主主義の欠点に直面するなか、異質な成長をしたシンガポールという都市国家を俯瞰するのは面白いです。

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