40億円を30秒で調達した、BAT(basic attention token)はスケールするのか?

先日、36M$(約40億円)を約30秒で調達したことで、basic attention token(以下:BAT)が話題になりました。
僕自身、今年、最も注目していたICOでもあったし、個別のプロジェクトについて、あまりブログを書くことなかったのですが、BATについては、最近のなかでは、個人的にも注目するethereum系プロジェクトのひとつですし、せっかく話題になっていますので、書いておこうと思います。

今回のICOでは、ethereumのネットワークが遅延もし、30秒で40億円調達し、ベンチャーキャピタリスト界隈でもICOという調達手段に関心が集まりました。

今回、人気を集めたBATは、インターネット広告の健全化を目指すプロジェクトです。

今回、BATの売り出しをしたbraveのCEOのBrendan Eich氏は、現在最もメジャーなプログラミング言語のjavascriptを開発したり、サードパーティクッキーの開発、webブラウザのfirefoxの開発に貢献など、インターネットに多大な影響を与えてきた人物です。

インターネットは、広告のために自由な空間ではなくなっている。

そういったインターネットの発展に多く関わってきた彼が、近年、強く主張しているのが、webは自由な空間ではなくなってしまったということです。

具体的には、

①ユーザーのインターネット上の行動は全てトラッキングされる。
②広告がデータ容量を食いつぶす。
③無作為な広告が溢れているから、ユーザーは広告を尊重せず、広告ブロッカーなどのアプリを使っている。
④コンテンツ提供者は、広告以外のマネタイズをしにくい。

などを問題点として、指摘しています。

彼が、2015年に設立した、brave softwareは、これらの問題を解決するために作られた会社ともいえます。

同社は、すでに、webブラウザのbraveをリリースしています。
データのトラッキングをせず、広告を表示させず、読み込みが非常に早い、良いブラウザです。

ブラウザは下記からダウンロード可能です。
拡張機能や、日本語を含む多言語化も使えるブラウザなので、ぜひ試してみてください。

Browse faster and safer with Brave.

このブラウザが、①と②について解決するといえるでしょう。

それに対して、今回のICOで売り出したBATは、③と④の課題を解決するためのソリューションといえます。

Braveブラウザを介して、コンテンツ内の広告主が、閲覧者が広告を見てくれたり、シェアのお礼としてBATトークンが支払われるエコシステムの構築を目指しています。

BATが構築する経済圏が、それぞれに与えるメリットは以下のように、説明されています。

 ユーザー:広告を見ることでプライバシーデータを晒すことなくリワードを得られる。
 アドバタイザー:ROIを高めることができ、正確なターゲティングができる。
 パブリッシャー:ユーザーのアテンションに基づきリワードが得られる。精度が高い広告の効果測定ができる。

BATはスケールするのか?

このBATが、スケールするかについては、課題も多いです。

・データをトラッキングせず、広告のターゲティングは本当にできるのか。
braveブラウザでは、ユーザーの行動をトラッキングして、特定のサーバーに送信することはしていません。
今日のインターネットの広告市場の大部分を占めるgoogleやFaceebookは、ユーザー行動を常に収集して、広告のターゲティングを行っています。
しかし、braveブラウザでは、ユーザーの行動をローカルクライアントで機械学習し、外部にそれを送信することなく、広告のターゲティングをすることを目指しています。
braveブラウザで、この機能は、まだ実装されていないのですが、これが機能するには、ぞれぞれ個別のユーザーがbraveブラウザを長時間使う必要があるし、従来モデルより優れた広告ターゲティングが出来るかは疑問だと指摘されています。

・BATのエコシステムは、braveブラウザ以外で実装は可能なのか。
Brendan Eich氏は、BATのエコシステムを、brave以外にも、その他のブラウザにも持ち込みたいとしています。
braveブラウザは新しいブラウザでシェアは少ないので、その他のブラウザでも使えるようにするということは、スケールさせるためのクリティカルパスでもあるとも思います。
しかし、例えば、iosでは、標準のwebキットのレンダリング以外のカスタマイズが不可能ですので、サファリブラウザで拡張はできません。
このなかで、どれだけ、BATのエコシステムを持ち込むことができるか疑問です。

・google自身がアドブロック機能をchromに実装予定
googleは、2018年にchromブラウザにアドブロック機能をつけることを発表しています。
インターネット広告で最大のシェアをもつgoogle自身がこういった施策をとるということは、google自身も現在のインターネット広告の問題点を認識しており、かつ、アドブロッカーや、braveのような新しいブラウザにマーケットの舵をとられてしまうならば、自分たちで、広告をブロックしてでも、プラットフォーマーの立場を守ろうとしていることです。
実際、chromに標準で広告ブロックが搭載されると、一般ユーザーが、braveブラウザを使う動機は薄まると思われます。

Brendan Eich氏が目指す、自由なインターネット

このように、スケールするための抱えている課題も多いBATですが、Brendan Eich氏のプロダクトへのコミットする意思と、braveチームを信じて、BATを保有したいと思っています。
なお、BATのアドバイザーには、ZcashのCEOも加わっていて、プライバシー保護には、ゼロ知識証明をもちいるとしています。

他、ブラウザ内でウォレットが実装されており、オフチェーンを利用した送金も構想しているという。コンテンツにアテンションを示したことによって、少額のマイクロペイメントが行われるのだろうと思われ、氏が、構想するインターネットの世界観は非常に興味深いです。

BATの実装についてのロードマップは、近日公開予定とされています。

以下のTEDの動画は、BATのアナウンスがされる前のものですが、Brendan Eich氏の思想に触れるには、良い動画だと思います。

インターネットの生き字引のような彼が、一番インターネットに自由と理想を求めていて素敵です。

■INFORMATION
■ブログ著者のプロフィール
■筆者のTwitterをフォローするー
■年間50回ほど飛行機の乗る、ノマド生活をしている筆者が、持ち歩いているガジェットや、トラベルグッズ

■初心者向けに、ビットコインに関する情報をまとめました。

■[途上国・新興国研究所] オンラインサロンを運営中です。 新しい個人の時代の、生活・投資・ビジネス・旅などをハックすることを目的にした会員制コミュニティです。
■筆者へビットコインの投げ銭・寄付 もしブログが面白かったり、役にたった方へ。ビットコインの投げ銭を頂けると、とても喜びます。 17WBxjLLusGuNK5wUsP3dKjEc3apx6rwcY  

関連記事

関連記事がありません。