仮想通貨市場の時価総額とか諸々について

最近、というか割と前に、暗号通貨市場の時価総額が、10兆円を突破したらしいです。

“仮想通貨市場で今何が起きているのか?――時価総額1000億ドルはバブルを意味するのか”

このブログを書いている間にも、しっかり市場全体の時価総額は、10兆円より上を保っています。

このように、暗号通貨市場全体の時価総額や、個別のコインの時価総額が、語られることが多いです。
しかし、当然、これは10兆円分の法定通貨が流入しているということではないし、暗号通貨市場特有の注意点もあるので、一度整理してみたいと思います。

①時価総額の考え方と流動性

まず、時価総額は、「市場取引価格×発行数」で計算されます。

そして、世界最大のアルトコイン取引市場のPoloniexの、出来高上位50%でも、1000BTC/日しか取引がありません。
ごく一部のメジャー通貨を除いて、ほとんどのコインに十分な流動性があるとはいい難いです。
しかし、それでも「市場取引価格×発行数」で、時価総額は計算されます。

この計算方法は株とかでも同じですし、時価総額という概念の計算方法はこれ以外ありませんが、それ以上に暗号通貨の時価総額は脆いといえます。
暗号通貨の場合、アルトコインを普段ビットコイン建てで取引されているにも関わらず、時価総額を法定通貨建てで表現されることが多いので、さらに錯覚が生まれやすいといえます。

②新規のコインの発行(ICOのケース)

次は、新規のコインの発行について考えてみます。
最近、ICOが大変多くなっており、50億円や100億円単位で資金を調達するプロジェクトも少なくありません。

このICOですが、ここで、とあるプロジェクトが、ETH建てで、50億円調達したとします。
このとき、ICO参加者に配布されたトークンには、50億円分の評価額がついている筈です。
更に、多くのプロジェクトは、プロジェクト側も一定のコインを保有しています。彼らの保有しているコインが、わかりやすく半分(50%)あったとして、この場合、便宜上50億円の評価額がつきます。

さて、この一連のICOで、暗号通貨の市場では、新しく発行されたコインによって、時価総額に新しく100億円が加算されました。
が、暗号通貨市場全体の時価総額が100億円も加わったのに、法定通貨のドルや、円は、1セントたりとも流入していません。
それでも市場の「時価総額」は、どんどん膨らんでいきます。

③新規のコイン発行(PoWとPoSの場合)

100%プレマイン以外の暗号通貨では、それぞれのコンセンサスアルゴリズムで、日々、コインが新規発行されています。
ビットコインでは、1ブロックのマイナーの報酬が、現在12.5BTCで、1日に新規で1800枚のビットコインが発行されます。
2017年6月のおおよその価格である1BTC=30万円で、これを計算すると、ビットコインだけで、1日に5億円の時価総額が日々追加されます。

これと同じ原理で、毎時間、毎日、様々なコインが新規発行されていくので、その分、市場全体の時価総額は増えていきます。
この時価総額が増えていく過程で、法定通貨→暗号通貨の資金移動はあるのでしょうか?

代表的なPoWとPoSを考えてみます。

・PoW
PoWでは、新規のコインをマイニングするのに、電気代と設備投資という明確なコストがかかります。
市場価格と、マイニング原価はではないですが、電気代などのコストは、法定通貨を用いて支払われているはずなので、一定の法定通貨→暗号通貨の移転・または、価値創出が行われていると考えられるかもしれません。

・PoS
PoSは、コインを沢山持っている人に、リワードが配布されます。
これは、コインを沢山持っているだけで、コインが貰えます。別になにかしらコストを払っているわけではありません。
しかし、このとき発行されるコインも時価総額に貢献します。

暗号通貨市場の時価総額は、伸び続けます。ただし。

いかがでしたでしょうか。
これからも「仮想通貨の市場全体の時価総額◯◯兆円突破!」という記事を書くメディアを見ることは多そうですが、その時価総額は、こういった事情の上成り立っています。

僕も、アルトコインを購入の検討をするとき、時価総額の確認や、他のコインの時価総額との比較はしますが、ディストリビューション方法や発行量・流動性によって、冷静な比較をすべきだと思います。

今、執筆時点で、暗号通貨市場全体の時価総額は11兆円くらいですが、20兆円くらいはすぐにいくのではないのでしょうか。
しかし、その10兆円や20兆円は、それだけ法定通貨から暗号通貨への流入があったわけではないし、それだけに、なにかがきっかけで崩れ去る可能性がある脆いものです。

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