ビットコインキャッシュなど、ビッグブロック派は、どのようなビットコインを作ろうとしているか。

8月に、ビットコインがハードフォークし、ビットコインキャッシュが誕生し、また、11月に向けてコミュニティでは、Segwit2xの議論が活発に行われています。

ビットコインキャッシュも、Segwt2xも、ビットコインのブロックサイズを上げたいわけですが、ビッグブロック派が目指しているビットコインとはどのようなものでしょうか。

ビットコインはどのようにVISAを越えることができるのか。

彼らが目指しているビットコインの将来像を端的に表したビッグブロック派の方が書いた記事で、
Dear Bitcoin, This is How You Can Beat Visa (ビットコインはどのようにVISAを越えることができるのか)
https://medium.com/@hudon/dear-bitcoin-this-is-how-you-can-beat-visa-b5ee857cf193

というものがあるので、これを引用しながら、それを解説したいと思います。

ご存知の通り、ビットコインは、現状1MBのブロックサイズで、処理出来るトランザクション数は、VISAなどの既存決済サービスには、遠く及ばす、混雑時にトランザクションを作成するには、高額な手数料を支払う必要があります。
該当記事の著者は、これを解決するためのステップとして、5段階にわけています。

1.ブロックサイズのリミットを取り除く
ブロックサイズの上限を取り除けば、その分、処理できるトランザクション数が向上します。
現在の1MBには、収まりきらないトランザクション数を処理できることになります。

2.マイナー間のブロックの伝播速度の向上
1MBのブロックサイズを放棄し、10MBや20MBのブロックチェーンを構築すると、P2Pの伝播は困難になります。
これを解決するため、主要マイナーとの間で、ブロックを伝播するための広帯域のネットワークを設置するということが、ビッグブロック派の主張です。
この場合、フルノードをユーザーが動かすことなく、マイナーだけが管理するようになります。

3.ブロックタイムを10秒間に短縮
この記事の著者は、トランザクション速度をあげるため、ブロックタイムを10秒間まで短縮させるべきだと言って、非常に短絡的です。

4.ユーザーはSPVノードを参照する
ビッグブロック派が描く、ビットコインでは、ユーザーは、SPVノードからのみ参照し、フルノードは、マイナーだけが管理するといいます。

SPVノードとは、一定の信頼性をトレードオフにしながら、ブロックチェーンを全て記録しないで管理できるライトクライアントのようなものです。
ビットコインのブロックチェーンは、これまでのトランザクションをまとめた膨大なデータを、各ノードが記録することで成り立っています。
しかし、それでは、誰もが気軽に運用することは、出来ないので、SPVノードというものが用意されています。
ユーザーのネットワーク検証は、これで行うといいます。

5.ユーザーはブロックチェーンから分離してトランザクションを生成できる。

ブロックタイムを10秒間にしても、それでもトランザクションが生成され、ブロックに取り込まれるまで、10秒はかかります。
これでは、まだVISAに及ばないため、該当記事の著者は、マイナーネットワークからAPIを発行して、トランザクションを生成できるようにすれば、瞬時にトランザクションを発行できると主張しています。
これは、もはや、マイナーを完全に信頼することを意味します。

上記の構想は、ビッグブロック派でも人によって異なるところがあり、一人のビッグブロック派ユーザーが書いた記事ということを理解すべきで、この記事の著者は最も過激派ですが、
・マイナー間でネットワークの構築
・ユーザーは、SPVノードから参照
という点は、自分が、CSW(クレイグライト)などを含む何人かのビッグブロック派から聞いた限りでも、主張は一致します。

ビッグブロックのビットコインは、トランザクション性能と引き換えに、対検閲性を大きく犠牲にしている。

P2Pで、ビッグブロックは実現しないという反論はよくありますが、マイナー間で、ネットワークを構築すれば、確かに大きなブロックサイズも伝播できるでしょう。

結果、VISA並みのトランザクション性能を得ることになるかも知れませんし、そうすれば、広くビットコインが使われ価格も高騰するという主張に関しても、もしかしたら、事実かも知れません。
しかし、このようなエコシステムを構築したビットコインは、マイナーさえ検閲してしまえば、そのネットワークは機能不全になりますし、ユーザーはマイナーを今まで以上に信頼する必要があります。

具体的に、シチュエーションを考えてみると、例えば、SECや中国政府が、マイナーを差し押さえさえすれば、それは機能不全になります。

ビッグブロック派の主張は、VISA並みのスケーラビリティの代償として、そういったいくつかの対検閲生を犠牲にしているといえます。(ここでは指摘しませんが、他にもいくつかの点で、対検閲生に難があります。)
例えるならば、ブロックサイズの上限を取り払ったビットコインは、マイニング企業が経営する銀行ネットワークのようなものとも言えます。

以上、ビッグブロック派の構想するビットコインの未来像を簡単に整理しました。
僕自身は、コア開発を支持していますが、ビットコインキャッシュとして別のコインとして、競争することは否定していませんし、むしろ非常に良いことだと思っています。

ただ、現状、自分が、最も支持できるのは、コア開発なので、オリジナルチェーンでブロックサイズの拡張には、1ユーザーとして反対の声を上げるつもりではあります。

また、コア開発を支持しながらも、1MBのままでは、レイヤー2で、ビットコインは、世界中の人の使用には耐えられるほどは、スケール出来ないとも、理解しています。
コア支持ではあっても、レイヤー2の実装によって実現される世界観はかなり期待値も混ざって語られることが多いとは感じていて、そこは冷静に判断していきたい姿勢です。

それでもコアを支持しているのはdecentralizedかつ、trustllesな技術的最適解を現状、最も示しているからです。
また、LNを使用してもスケールできないことに対する解としては、アトミックスワップによるライトコインの利用であったりでしていけばいいです。

繰り返しますが、ビットコインキャッシュなどのビッグブロックコインが、ユーザーに広く使われる可能性も否定しませんし、別のコインとしては応援しています。また、個人的にも、ビットコインキャッシュやDASHなどのビッグブロックスケールを目指すコインは自分も保有しています。

しかし、それはビットコインの非中央集権性を犠牲にしてまで、実現すべきことだとは思っていませんし、オリジナルチェーンで行うことは自分は支持しません。

ビッグブロック派は、サトシ・ナカモトの論文のP2Pエレクトリックキャッシュの部分、つまり決済で使われるお金としてのビットコインが重要といい、全てはサトシのビジョンだといいますが、今やビットコインの時価総額は8兆円の価値がつき、もっと慎重になるべきだろうと思います。

また、サトシは既にコミュニティを離れており、ビットコインはすでにサトシのものでもありません。

トランザクションが早いだけでは意味がなく、ビットコインの強みは、そこではないはずです。

いずれにしても、今は、ビットコインキャッシュが生まれたわけで、そちらでビッグブロックコインを開発し、競合すればよく、オリジナルチェーンのブロックサイズはリスクを取ってすべきことではないでしょう。

■お知らせ
オンラインサロンの新規会員募集のお知らせ
■[世界で生きる研究・実践所]
国の境目もなくなり、国を跨いで生活することや、仕事をすることも普通になり、ビットコインなどの暗号通貨が誕生し、お金の在り方まで変わりつつある現代を、より有利に生き抜くことを研究する会員制コミュニティです。新しい時代の、ビジネス・投資・生活・旅全般をハックしていきます。。
■ブログ著者のプロフィール
■筆者のTwitterをフォローするー
■筆者へビットコインの投げ銭・寄付 もしブログが面白かったり、役にたった方へ。ビットコインの投げ銭を頂けると、とても喜びます。 17WBxjLLusGuNK5wUsP3dKjEc3apx6rwcY  

関連記事

ビットコインと金(ゴールド)との類似性

インドやベネズエラのような新興国での、ビットコインの高騰について思うこと

NO IMAGE

クラウドセールパーティーで踊るなら、出口のそばで

ウォーレン・バフェット的な、仮想通貨・暗号通貨投資のスタイル

ジム・ロジャーズ氏が、「ビットコインを買うべきだった。」とコメント

実態以上に価格が上がるアルトコインの7つのポイント。全部言っちゃうね。