カタルーニャの独立運動から考える、ビットコインとブロックチェーンと国家の未来

先日、スペインのカタルーニャ州の独立について、住民投票の開票が行われ、独立を希望する票が圧倒的多數という結果になりました。

*カタルーニャ州住民投票 「独立賛成」圧倒的多数に
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20171002/k10011164741000.html

■「中央政府が違憲というから違憲」という見方は一面でしかない。

中央政府は、この違憲としていますが、同州では、警察が阻止しようとする介入を受けながらも、民主的な住民投票を経て、90パーセント以上の独立の希望があります。
ÇNNをはじめとしたメディア、Twitterでも、警察の投票所の差し押さえを、流血してでも止めようと運動をする住民の動画が多く流れました。

そうまでして、スペインという国から独立して、国家をつくりたいという想いは、外の人には中々理解しがたいですが、そのエネルギーは、動画越しでも、相当のものがあります。

この独立を支持するか、支持しないかは、意見がある人もあるだろうし、これから国連や欧州理事会も口出しをするだろうと思われますが、カタルーニャのスペインからの独立が、「中央政府が違憲と言うから違憲」という判断をしてしまうのは、一面でしかないといえます。
歴史的に、国ができたり、併合されることが、既存の法律に沿って行われることは、ほとんどありえません。
国家の独立、併合は、大抵、暴力かお金の力、ときに自由の勝利によって成立します。
今回、成立をするとしたら後者だといえるでしょう。

僕は、民主主義的な住民投票のプロセスを経た独立なら支持をされるべきと思います。
中央政府は、これから投票率の問題や、選挙に透明性がない等、様々な論をふりかざすはずですが、中央政府が認めた住民投票なら、もっと仕組みを整備しクリアな選挙が行えたはずで、その条件下で、選挙をやりなおすのがフェアといえます。

もちろん、独立が成立して、数年後、結果的に不幸になってしまったという未来は十分にあると思います。
カタルーニャがスペインから独立したら、EU加盟どうするの、離脱するならEUに囲まれて経済どうするの、という心配は最もですが、少なくとも、軍事的面は心配はありません。

平和を理念にするEUに囲まれているということは、例え周辺国から嫌われても、戦争はできないからです。
また、食料自給率は、随一の高さを誇っているのも、スペインという国、同じく同州であり、それらの背景も散々議論され、独立投票は行われています。

こういった民衆が自由を獲得する動きは、プロセスが伴っているならば、支持されるべきだと思うし、社会実験として引き続き、注目しています。

■ビットコインとブロックチェーンと国家の未来

ここから記事タイトルの本題です。

世界では、実は、独立の機運がくすぶってる地域は他にもあります。

実現可能性が小さいものも含めて挙げると、そういった地域はきりがないのですが、最近話題になったところでは、例えば、スコットランドがそれにあたります。
僕は、割と、世界中、色々なところに行って、実体験としても、知っているのですが、世の中には、国から独立したい、またはそういった議論がささやかに行われている自治州は結構あります。

ここで、最近考えていることがあります。
それは、ブロックチェーンが一般化して、通貨の管理コスト、行政システムの構築コストが下がると、そういった独立を後押しすることもありそうだということです。

自治州が、国家になるために、必要なものはなんでしょうか?

国家の独立運動に発展する前の段階で、多くの場合、自治権が日本のそれより強く与えられえてることが多いでしょうから、政治形態の原型のようなものはすでにあるでしょう。
他に、必要なものは、色々ありますが、自治州から国家になるのに、大きいイニシャルコストは、通貨の管理コスト、行政システムの構築コストです。
しかし、それは、ブロックチェーンを使うアプリケーションなどが一般化すると、これから数年で、劇的にコストが下がります。

各国が、自国通貨の暗号通貨化を行おうとしているように、通貨の実装コストも下がるだろうと予想されます。

そもそも、大きな流れでは、世界の国の数は増えていて、社会学者の間では、この数はさらに増えるだろうというのは、共通認識です。
ソビエト連邦は15の国になったし、チェコスロバキアは2つの国になり、ユーゴスラビアは6つの国になりました。そのユーゴスラビアから独立したうちの1つセルビアからは、コソボ共和国が独立しました。
最近の話だと、スペインのカタルーニャ以外に、スコットランドは、住民投票で一旦否決になりましたが、イギリスから独立する可能性は依然ありますし、国連からは承認されていない未承認国家のソマリランドは、普通に自治政府があります。

もっと遡れば、第二次世界大戦が終戦する1年前、1944年の国の数は、わずか71各国で、そこから1世紀がたたないうちに、130近くの国が誕生しています。

■国家のハードフォークや、国債がICOトークンになることは、非現実的ではない。

帝国主義が終焉して、国家の分散化が始まって久しいですが、その流れは、現代に至るまで、まだ続いています。
そして、ブロックチェーンで政府システムや通貨の実装コストが下がると、そのトレンドは、いくらか更に後押しされると思います。

実際に、独立運動をするグループが、「新しい行政システムを実装するのに、数億円くらいで実装できます。むしろレガシーのシステムより運用コストが下がって、税収は、他のところにあてられます。」なんて、言われたら、魅力的に聞こえてしまう市民はいそうです。

もちろん自治州から国家になるということは、行政システムの構築以外に、他にも色々なハードルがありますが、そのうちのハードルのひとつが取り除かれる可能性だろう、ということを、僕は説明しています。

ちなみに、カタルーニャ州は、住民投票を決行する直前で、中央政府から、自治州内の金融サービスを止められる事態があったのですが、これに対し、ウィキリークス創業者のジュリアン・アサンジは、「ビットコインを使うべきだ。」とコメントし、これが結構注目され、盛り上がっていました。

もし、暗号通貨がより一般的になるとしたら、こういったタイミングで、人は、非中央集権的な通貨を使い、国家の抑止を避けるでしょう。

しかも、その劇的に下がったイニシャルコストさえも足りなければ、例えば、永住権でも国債でも何かしらをトークン化して、ICOで販売して、資金調達をするなんてことも考えられるかも知れません。

荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、現在でも、国債は、誰でも買える公開市場で取引していて、それが自治州レベルで、行えるようになると考えると、イメージしやすいかも知れません。
また、今でも永住権や国籍は、お金で買えることができるという事実があります。

ただ、それを自治州レベルの地域や、小国が、やろうとしても、既存金融の仕組みで、売り出すことはできなかったのです。
それが、これからは、低コスト、かつ簡単に、それが実装できます。

技術的に出来るようになってしまったら、そういったことが現実になるのは、時間の問題です。

が、もちろん、こんな世界は、すぐにはやってきません。

時間軸は分かりませんが、ざっくりですが、10年くらい先をイメージでしょうか。
インターネットだって民間に開放されてから、スマートフォンが出来て、常時接続が一般化するまで、15年かかっています。
ブロックチェーンもそれくらいかかるはずです。

今、こういった話をすると、荒唐無稽な未来な話に聞こえそうですが、そんな世界は確実に訪れると思います。
そう考えると、ビットコインは、インターネットと同じくらい重要なイノベーションだという、マーク・アンドリーセンの言葉も思い出します。

実際に独立の意思がくすぶっている地域は世界に点在しているという事実があり、ブロックチェーンが広く利用される未来の世界では、国家のハードフォークといえるようなことが起こり得ると、大真面目に思ってます。

まだ先の未来も、考えつつ、今は、カタルーニャの独立の行方を見届けたいと思います。

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