ビットコインとノマド

ノマドという言葉について

僕は、ミニマリストノマドを自称していますが、世間で用いられる所謂「ノマドワーカー」とは、異なる意味で、この言葉を用いています。

日本では、ノマドという言葉は、どういった広まり方をしたのか、会社に属さないで、場所を選ばず働くフリーランスという狭義の意味で知られています。
ですが、”21世紀最高の頭脳”と呼ばれるジャック・アタリは、『21世紀の歴史-未来の人類から見た世界』のなかで、21世紀、全ての人類は、ノマド化すると説きました。
個人のエンパワメントと、近代国家のシステムの希薄化により、必然的に人類は、国家の手を離れ、各個人や組織に集約されるという。
そして、国境が薄れたフラットな世界では、全ての人類がノマド化すると、主張した上でアタリは、ノマドを3つのカテゴライズしました。

①ハイパーノマド
-企業家や、クルエイティブ人材、他ハイエンドなキャリア層。所属する場所を、その時の最適性により、自由に選択できる。同氏によると、これに当てはまるのは、上位数千万人だという。

②下層ノマド
フラットになった世界では、生まれた国が、先進国なら無条件で裕福になるという時代は、過去のものになる。国家が、日本国籍だから、能力のない者の雇用を保証できるという時代は、終り、仕事がある国に移動せざるを得なくなる。21世紀型の出稼ぎ労働者。

③バーチャルノマド
所謂中流階級で、実際は、定住した生活をしている。ただ、フラットになった世界では、定住した場所でも、世界中に向け、サービスを提供する企業で働くこともあり得るし、世界中を飛び回るハイパーノマドたちが提供するサービスや商品を消費する。その中で、下層ノマドとの競争に晒される。

『21世紀の歴史』が、出版されたのは、2006年でしたが、今でこそ、ジャック・アタリが描いた未来像は、多くの人にとって、現実的なものになりました。
ジャック・アタリは、2025年に、これらのノマド化する社会が現実になると、予想しましたが、2016年時点で、世の中を見回してみると、実際は、もっと早いように思います。
ついでに、書くと、ノマド化する世界で、ハイエンドでない普通の人が、この波を泳ぐのに、最適な方法は、ミニマリストになることが最適解であると考えて、僕は実践中です。

 

人類は他のすべての価値観を差し置いて、個人の自由に最大限の価値を見出してきた

さて、2006年に『21世紀の歴史』が出版され、期せずして、2008年にリーマンショック、2010年にユーロ危機が起きました。
一般の人にも、既存のシステムに疑問を持つ機会を与えるには、十分すぎるイベントです。
そして、その間の年、2009年に、発行体がない通貨、ビットコインが誕生しました。

ジャック・アタリは、こうも説いています。
「いかなる時代であろうとも、人類は他のすべての価値観を差し置いて、個人の自由に最大限の価値を見出してきた」

「欠乏こそが人々に新たな富を探し求めさせる。不足とは、野心を生み出すための天の恵みである。技術を発明したのが誰であるかはさほど重要ではなく、文化的・政治的にこれを活用できる状態にあることが重要である。」

人類の歴史を振り返れば、個人の自由に最大限の価値を見いだしてきた、という点は、否定しようがないでしょう。
ですが、これには、括弧で、ただし、そこには、(補助するテクノロジーが流布するまでは)という注意書きが用いられるのは、暗黙の了解といえます。
言語というテクノロジーが流布しなければ、人類の下位層は、奴隷から開放されなかったように。

国家を形成する急所である通貨発行権を代替するテクノロジーは、産声をあげました。
「個人がテクノロジーを駆使し、個人の自由を最大限に価値を見いだしてきた」という歴史に、当てはまれるならば、人類が、ビットコイン、または非中央型の通貨を活用することは、時間の問題だと言えます。
そもそも近代国家の価値観というのは、中世以降形成されたに過ぎず、数百年の歴史に過ぎません。
歴史を俯瞰すれば、国家が融解するという未来を否定できないでしょう。

メールを送る感覚で、ビットコインによる、国を跨いだ送金が当たり前に行われ、アーティストは、自分の作品をネット上に公開し、世界中から投げ銭の受け皿を持ち、トラストレスな通貨が利用される世界は、究極的なノマド世界といえます。

ジャック・アタリは、極度な自由主義者という訳でなく、客観的に、ノマド化する社会を既定路線として、予言しました。
僕も同じく、「政府死ね」みたいな極端な自由主義者ではないですが、分散化する社会が到来するのは、自明で、ビットコインを始めとした中央を持たない分散型通貨は、その予言を更に強固なものだと思っています。
21世紀はノマド的世紀であり、ビットコインは、ノマド的通貨といえるでしょう。

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