学生時代に、アフリカでインターンをし、そこから見出したローカルの社会学

※本記事は、アフリカに挑戦する日本人のためのwebメディア・Africa Quest様に寄稿した記事に、加筆・修正をしたものです。

 

僕自身は、学生のときに、アフリカに興味を持ち、アフリカ複数国で会社を経営する金城拓真氏にTwitterでコンタクトをして、同氏のタンザニアの会社、East Africa Sales Promotionにインターン生として働きました。
大学卒業後、僕は、自身の会社を始めることになるが、引き続き、いくつかの案件で協業させてもらっています。
今回の記事では、あまり小難しい話を書くつもりはありませんが、これからアフリカに興味を持ってもらう人に読んでもらうことも想定しているので、まず簡単に、タンザニアという国の基本的な情報に触れます。

タンザニアの基本情報。経済規模を、ざっくり例えるとカンボジアに近い

タンザニアは、アフリカの東に位置する国で、人口は、約5000万人。
実質的な経済の中心地は、ダルエスサラームという港町で、今回の見本市もここで開催されます。
行政上の首都は、別にあるが、実質的な首都であり、僕もタンザニアに滞在する際は、ここに滞在します。
経済規模のイメージをしてもらいやすいと思うので、アジアの国にざっくり例えると、カンボジアとかに近い。
タンザニアの、お隣のケニアは、更に数年分発展していて、タイなんかに近いイメージを持ってもらえばいいでしょう。
もちろん、首都と地方では経済環境は大きく異なるし、イメージを持ってもらうための表現なので、この比喩に関する否定は、受け付けません。

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(ザ・アフリカンマーケットとも言えるような景色。ビルが並ぶ中心地から2キロも歩けば、こういった下町に辿りつく)
主要産業は、農業や観光業など。ザンジバル島や、サファリなど、所謂ステレオタイプのアフリカの観光資源を持っている国でもある。
治安に関しては、いままで色々な事件にも出合ってきたので、決して手放しで、良いとは言わないが、他のアフリカ各国と比較したら、恐らく良いほうではあります。訪れる予定の方も、油断しないで、気をつけている限りは、大丈夫のはず。
タンザニアに進出してくる企業は、経済がある程度成熟しているケニアなどより、一歩経済が遅れているが、かといって極端に遅れすぎていることはない同国にチャンスを見いだす場合が多いです。

アフリカでのインターン中の業務

さて、僕が、学生時代、インターンをしていた当時、「インターンって、どういったことやるの?」ということを、よく聞かれたので、ここでも触れたいと思う。
まあ、最早、何屋さんか分からないほど、事業が多岐に渡っているので、担当する案件は、人によって異なるが、最初の数ヶ月の仕事は、細かい現地人のマネジメントと雑用だ。
その後、自分でやりたい案件を見つけて、担当する人もいたり、引き続き、上述の仕事をしたり、インターン生の働き方は様々でした。

中古車の営業をやったり、不動産をやったり、まあ、規模は小さいけど、みんな興味持ったことを、こつこつやってましたね。

「インターン興味あるんですよね。」という連絡を頂いたり、イベント会場とかで、その類の質問をされることもありますが、もしかしたら、その中に、金城さんの本を読んで、アフリカでワンチャンで一発あてられるかも?みたいな期待をしていた方もいるかも知れません。
そういう人には、夢を壊してしまうようだけど、地道なことが苦手な人は、多分、向いていないので、辞めたほうがいいと思います(笑)
だが、夜は、経営陣と共に会食の場にも同席することも多々あり、思い返せば、過去のインターン生は、総じて、貴重な経験をしていたと思います。

アフリカの”ローカルの社会学”

最初の数ヶ月は、現地人のマネジメントが中心になると書いたが、これは、どのインターン生も苦労するところだが、ここに、このインターンの本質があり、もしくは、アフリカビジネスの本質だと言ってもいいかもしれません。
ちなみに同氏の会社で、現地人をマネジメントをするといっても、大学出のスーツを着るような人間をマネジメントするイメージではなく、スラムに住んでいるような現地人が相手です。

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(皆大好きマサイ族も首都で働く姿は、多く見かけられる。特に、警備員などの仕事は、最強の民族と呼ばれるマサイ族にとって人気の仕事。)
アフリカに限らず、途上国で、少しでも働いた経験がある人なら分かると思うが、途上国の人材を部下にして、業務を進めるのは、大変です。
彼らは、何から何まで、アフリカンタイムであるし、仕事の1つ1つが、大雑把である。
だが、アフリカでビジネスを遂行することは、間接的・直接的に雇用するしないに限らず、彼らを動かすことが、必須になります。
アフリカンタイムの彼らを、どこまで効率的に動かせるかが、ビジネスをどれだけスケールさせられるかにそのまま繋がると言っても言い過ぎではないだろう。彼らは、時間を守らないし、業務も大ざっぱだ、と不平を言うのは、簡単だが、それだけでは何も解決しません。
日本であれば、小学校から始まる義務教育と高校生くらいまでの生活で、多くの人に、先生の言うことは聞くというのが、根付いているはずだが、アフリカでは、そんなことはありません。
悪い言い方かも知れないが、そういったちゃんとした教育を受けていない層は、もう少し原始的だ。「こいつの言うことは聞いた方がいいな。」「こいつについていけば、得をするだろう」と思った人の言うことだけを聞く。
「こいつの言うことは、聞かなくても大丈夫かな。」という考えが、彼らの中によぎれば、その時点で、業務は出来ない。「今日、これをやってくれ」と言った業務が、完了するのは、5日後になるでしょう。
その意味では、スタッフに物を盗まれるなどのトラブルを抱える日系企業もあると思うが、それは、「こいつらに相手に悪さをしてはいけない。」と思わせることが出来ていないと言える。日本人と比べて、生きる力が遥かに強い彼らは、裏切る理由も簡単です。
いわば、これは、アフリカのローカル社会学である。
そして、日本からやってきた大学生が、舐められるか、そうでないかの答えは、言わずもがなです。

スラム街の現地人総出で、猫を探索する珍事件

ところで、この”アフリカのローカル社会学”に因んだ、面白いエピソードが1つある。
僕が、タンザニアに到着した最初の一週間に、ある事件が起きた。
同社の日本人のトップマネージャーが、猫を飼っていたのだが、その猫が、ビルの7階から、逃げ出したのだ。
猫が逃げ出したくらいで、とも思えるかも知れないが、とても可愛がっていた猫だった。しかもこのマネージャーが出張中に起きた事件で、一通り怒られたあと、LINE・whatsup等全ての連絡手段をブロックされたのだ。
はるばる日本からアフリカまでやってきて、わずか7日間で、「猫の監督不届き」が原因で、クビになるというのは、ネタとしては面白いが、リアルタイムの僕には大変シリアスな状況だった。

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(事件の猫。もちろん、現地の人にとって、猫を飼う習慣はない。ペットを飼うというのは、”外国人のお金持ち”の行為だ)
このマネージャーが出張から帰ってくる前に、猫を、どうにかして見つけないとまずいので、この時、スタッフを含め、スラムの子たちを声をかけると、いつの間にかに数十名体制の大規模な猫捜索隊ができた。
いざ、捜索が始まると、「○○の場所は、探したけどいなかった」「次は○○に探しにいく」と、10分起きに携帯が鳴ったのは、面白かった。それまで、報告・相談・連絡などは、あり得なかった彼らが、猫を探すために、これだけ行動が変わるというのは、シュールな話である。
因みに、このスラムのような場所と表現しているが、日本から来ている行政職員は、立ち入り禁止場所だし、観光ガイドにも行ってはいけないと注意書きされている地域だ。夜は薬をやっている人も沢山うろついているし、中々カオスな光景になる。
このスラムの子たちや、現地スタッフにとって、この猫が、トップマネージャーに可愛がられていたことは、周知の事実であり、彼らが、日本から突然やってきた僕の業務命令を聞く理由はないが、このマネージャーの猫を必死で探すのに、十分な材料があったといえる。
この猫を必死で探さなければ、あとから怒られるかも知れないし、もし見つけられれば、おこずかいくれば貰えるかも知れないという訳だ。このマネージャー自体は、日本人でありながら、幼少時代から、アフリカを転々とした生活をし、非常にアフリカで人を扱う方法に長けている。
虞れにも通じる上下関係、インセンティブの設計など様々な要素のチューニングで、彼らの働きは、全然変わるという良い例である。

ちなみに、現在は、この会社の金城拓真社長とオンラインサロンという取り組みも行っています。
アフリカ、途上国に関わる人のコミュニティみたいなものを作って、将来的にそのコミュニティから事業も生まれれば良いとも期待しています。
気になった方は、下記から、ぜひ御覧ください。

【[世界で働く]途上国・新興国研究所】

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【インターン先の、East Africa Sales Promotion代表の金城拓真氏の書籍】

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