EU離脱で、イギリス経済は、成長をするだろう。Brexitにおける自分の見解。

Brexitは、イギリスにとって経済的メリットがある可能性が大きい

イギリスの国民投票が終わり、EU離脱が決定してから、一ヶ月が過ぎました。

兼ねてから、僕は、イギリスはEU離脱するべきだと考えていて、それは、日本のメディア、また、ほとんどの有識者の意見とも反対のものでした。

今回の離脱騒動の際には、日本のメディア、または海外メディアも含みますが、離脱反対は、EUから離れるのが、”なんとなく”不安というものが、多く、イギリスがEUに加盟していることのメリットを数値として客観的に分析したものは、ほとんどありませんでした。

このことを述べると、「離脱派も、EU圏内からの移民への感情論ではないか。」という話になりますが、そもそも、日本国内の選挙を見れば、分かるように、選挙のような民主主義を、動かすのは、常に感情論でしかありません。

そこばかりが、クローズアップされて、離脱派が示していた、離脱によって、イギリスが享受できる経済的メリットは、ほとんど考察されてきませんでした。

EUという構造の問題点と、イギリスが離脱したら、どうなるか?という仮定を示したのが、ロジャー・ブードル氏で、経済合理性を考え、イギリスのEU離脱を支持する人は、彼の書籍を参照にすることも増えてきました。

このブログでも、ブードル氏の書籍を沿いながら、イギリスのEU離脱を支持する理由をまとめようと思います。
2015年に出版されたこの本は、欧州解体というタイトルに「ドイツ一極支配の恐怖」という副題が、つけられていますが、今となっては、この本にふさわしい副題は、「イギリスが、EUを離脱する理由」かも知れません。

EUは、自由競争を阻害する。

移民の福祉コストをイギリスが負担している点や、加盟国全体で共有するさびれた古い制度など、EUの構想的欠陥など全てを振り返ると、ブログ記事1つで収まらない、非常に広範な内容になるので、EUは、経済的でないという観点を改めて、振り返ります。
まず、競争は、経済を、発展させるには、不可欠だということは周知の如実です。
ですが、EUは、民主主義という言葉と、統合を、目指して、自由競争を阻害している側面が大きい経済圏になりつつあります。

なかでも最も注意を払うべき点は、税制面でしょう。
イギリスの付加価値税は、標準15パーセントになっているし、加盟国は、法人税に関しても、引き下げは、極端に制限されています。

また、EUの制約範囲は、非常に広く、ロンドンの金融街のシティが、不当に稼いでいるとして、金融機関の幹部のボーナスを制限するというEU法が制定されたことは、記憶に新しいです。

ドバイや、シンガポールのような、小さい都市国家が、21世紀になってから、輝かしい成功を収めたのは、様々な要因は、多くありますが、グローバル企業や、富裕層を集めるに不可欠な数々の税制優遇を、武器にしたことは、無視できません。
様々な批判を受けつつも、法人税の安い国家に、質の高い人と企業が集まる以上、法人税引き下げ競争は、これからも続くでしょうし、イギリスは、EU離脱後、法人税を引き下げる方向性で、決まっています。
シンガポールや、ドバイは、法人税を引き下げた上、様々な国とFTAを結び、それぞれの地域でハブ国になりましたが、EUにいる限り、域外と自由に、FTAを結ぶことは不可能です。

今世紀に入ってから、世界の経済の中心は、アメリカと中国、そして、いくつかの都市国家になりました。
もしかしたら、しばらく前までであったら、アメリカと中国とEUと、都市国家になる可能性があったかも知れませんが、もはや、それは、EUに、よほどの構造改革のメス伸びないと無理そうなのは、明らかです。

EUを離脱しても、イギリスは、EUと貿易を続けるだろう

EU離脱後、イギリスは、メイ首相を、選任され、「EU離脱担当省」と「国際貿易省」が、設立されています。
イギリスの離脱で、イギリスの経済は、落ち込むと主張する人は、必ずといって良いほど、EUとの貿易量を引き合いに出しますが、ブードル氏は、離脱後も、イギリスがは、強い立場で、EUと交渉が出来るだろうと述べています。
そもそも、EU各国にとって、最大の輸出先は、アメリカではなくて、イギリスなので、イギリスに物が売れなくなって困るのは、EUの方だというわけです。

ブードル氏は、BMWや、メルゼデスをはじめ、数多の欧州の輸出企業が、自国政府や、EUに働きかけるだろうと予測しています。
そして、実際に、現在、そうなっています。

メルケルが、離脱後の交渉を前にして、「良いところどりは許されない。」と発言をしたことは、注目を集めましたが、こうした背景があり、離脱後も、EUとの貿易協定は、なにかしらの形で行われるはずです。

イギリスの離脱派は、ノルウェー型のEEA、または、スイスモデルを元にした交渉が進めたいはずです。

EEA、スイスモデルは、それぞれ別のものですが、EUの制約を100パーセント受けずに、個別で域外と自由貿易交渉ができるという点では、同じです。

EUと貿易を行いながら、EUの制約されることなく、他国と貿易が出来るとようになる、という点が、経済的な合理から、離脱を推奨する人たちの大枠です。
イギリスは、EUに加盟したことにより、国内企業の、自由競争が妨げられていたことは事実です。

離脱後のイギリスが、EUと一切の貿易条約を結べなかった場合

それでも、離脱後のイギリスが、EUと、全く貿易協定を結べない場合もある、と指摘する方もいらっしゃいます。
確かに、この可能性も有ります。
しかし、ブードル氏は、こういった仮定に対しても、さほど悲観的になる必要はないとしています。

基本的に、メディアは、イギリスの離脱を、非常にネガティブなものとして、「イギリスが、EU経済圏から閉めだされる。」というようなフレーズも使って、発信していましたが、EUから、離脱をしても、イギリスは、EU域外の一国になるだけです。
貿易協定が結ばれなかったとしても、EU加盟国に、イギリスが、商品を輸出する場合、共通域内関税が、発生するだけで、貿易が禁止されるわけではありません。

また、EUの単一市場に属していたことによる、イギリスにとって、経済的なメリットは、あまりなかったのではないか?という点に関しても、ブードル氏は、一定の証拠を述べています。

1993年-2011年の間で、EU加盟国国の間の平均の貿易の増加率は、92パーセントしか伸びていないことに対し、スイス、ノルウェー、アメリカ、カナダ、オーストラリアは、いずれも100パーセント以上の成長を記録しています。

参考:Assessing the economic impact of the Netherlands leaving the European Union

つまり、単一市場の外にいる国のほうが、貿易パフォーマンスをあげているということになり、単一市場の中にいるメリットは、実際には、少ないのではと議論する必要があるとしています。

こういった経済的合理性だけでなく、離脱派は、感情論で民意を動かしたのも事実でしょうが、メディアが、その点ばかりをクローズアップするのは、とても残念に思います。
ブードル氏も含め、イギリスの離脱の音頭をとったボリス・ジョンソン氏も、イギリスは、離脱後、EUの数々の干渉から開放され、50年前のシンガポールのような大転換を行い、都市国家を目指すと、公言しています。

Brexitは、21世紀の国家戦略を考えるには、本当に、面白いトピックです。

こういった自由競争を推奨する国家間を、突き詰めていくと、僕は、スコットランドは、イギリスを離脱して、EUに残留するべきだと思うし、シンガポールは、ASEANを離脱すべきなのではとも思います。

ロジャー・ブードル氏の書籍は、EUがなぜ創立したのか、なぜEUが今の時代に沿わなくなったのか、様々な構造的欠陥を広範に扱い、また、EUがどれだけ不経済かをデータで示した、イギリスのEU離脱を考えるには、最初に読むべき名著だと感じます。

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