訪日外国人が、2000万人しか来ないのは少なすぎる。観光産業は、21世紀の一大産業なのだから、増加は当たり前。

去年に引き続き、訪日外国人の増加は、堅調なようで、日本政府観光局によると、2016年7月の訪日外国人数は、229万人で、単月最高を記録したそうです。

参考記事:7月の訪日客、229万人=2割増、月間最高を更新(jiji.com)

記事によると、2000万人の訪日外国人数の記録を10月、または、11月に達成し、2016年の訪日外国人は、2400万人~2500万人になるであろうと期待されています。
同じく、日本政府観光局によると、2013年に記録していた訪日外国人は、1036万人なので、3年で100パーセント増加したことになります。

2000万人という数字は、訪日外国人の数字としては少なすぎる。

3年で100パーセントの増加は、ひとまず喜ばしいことかも知れませんが、観光客が毎年2000万人来ることが定着しても、この数字は、まだ少ないです。

世界銀行のデータによると、2014年の訪日観光客は、1430万人に対して、
・フランス8370万人
・香港2770
・タイ2480万人

観光大国のフランスの数字はともかく、同じアジアでも香港には、倍近く引き離されているという状況です。
これだけ気候・食・歴史と文化を持ちあわせていて、この数字は、あまりに酷いと言わざるを得ません。

今年2016年、訪日外国人が2500万人を記録することになるとしても、そもそものスタートラインが、低すぎるのです。

「でも3年で、200パーセント増加したということは、近年の観光戦略が、成功しているから。」という声が聞こえそうですが、実際には、それは要因として半分くらいでしょう。
訪日外国人の増加傾向が、最も著しいのは、中国・台湾・タイをはじめとしたアジアからの旅客です。
これらの国は、もれなく可処分所得が増えているので、
かつての日本のように、「休みをとって家族揃って国外旅行」する人が、沢山います。
これは、日本の観光戦略が良かったというよりは、外的要因です。

次に、今年の頭まで続いていた円安。
可処分所得が向上しているアジア各国の人にとって、日本は、安くなったお得な渡航先でした。
為替も、観光戦略とは、直接は、関係ありません。

確かに、LCCの就航を増やしたり、功を奏した面もあると思いますが、半分は、外的要因に波乗りしたに過ぎません。

僕は、現在、平均して週に一度、飛行機に乗る生活をしています。
こういった生活を可能にしているのも、LCCが普及したからで、多くの人にとって飛行機に乗って海外に行くということは、本当に手軽になりました。
国際便のチケットが、100ドル-200ドルで、スマートフォンで取れる時代です。
次に始まっているトレンドは、長距離LCCで、アジアーヨーロッパ、アジアーアメリカなどの路線が、200ドル程度で結ばれることも増えていきます。

世界銀行のデータによると、世界全体の旅客数は、ここ数年の間、年率5-8パーセントで増加し続けています。

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(出所:http://data.worldbank.org/indicator/ST.INT.ARVL?end=2014&start=2006&view=chart&year_high_desc=true)

世界を飛び回る旅客数の増加は、今後、20年は伸び続けることは確定したシナリオだと考えられていて、世界の主要ハブ空港は、揃ってターミナルの増設計画を出しています。
飛行機は、今後、さらに安くなり、いずれ0円チケットというのも出てくるだろうと、僕は思っています。
関連記事:LCC誘致に注力した関空が、日本で最も稼ぐ空港に。近い将来、飛行機に無料で乗れるようになる。

世界全体で、観光産業が、どれだけ今後成長するかは、イギリス政府が、同国の観光業の成長予測について、Oxford Economicsに依頼してつくられた報告書からも、感じ取れます。
報告書では、2014年時点で、3260万人の観光客は、2030年までに最低でも、4800万人にはなるだろうと、まとめられています。
最低でもそれだけの増加がするということは、人が移動しやすくなり、観光市場は、成長が約束された市場ということを、語る予測です。
因みに、最低で、4800万人まで増加という予測に合わせ、最高の予測は、6200万人だとしています。

人が限りなく、移動をしやすくなった現代で、観光は、21世紀の一大産業です。
今後、人工知能とロボットのおかげで、人間がやるべき仕事の総量も減り、余暇時間が増えるため、長期休暇の取得がしやすくなるだろうことも、観光産業の後押しになるはずです。

2000万人の訪日外国人は、少なすぎるという結論で間違いないだろう。

上述したように、
・この20年間、最も成長するアジア地域からの渡航客を見込めて
・円安が後押しして(今年下半期からは、円高トレンドになったけど。)
・そもそも、世界全体で観光市場が、急激に拡大している。

ということを考慮すると、2000万人の観光客は、あまりに少ないといえます。
おもてなしや、クールジャパン、ゆるキャラという、的の外れた観光戦略でなければ、今年の訪日外国人は、3000万人を記録出来ていたでしょう。

日本の観光戦略の何が駄目かというのは、デービッド アトキンソン先生が、極めて論理的に、教えてくれています。

観光は、21世紀の一大産業であって、年間数千万の外国人が来日する以上、ホテルや観光施設のみならず、全ての産業が意識すべきイシューです。

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