21世紀的な新しい形の企業のCSRを考えた。途上国に対する国際協力の方法として有効だと思います。

国際協力や、企業のCSRという言葉に対して、皆さんは、どのような印象を持たれているでしょうか。

きっと、人によって、この言葉から感じるイメージは違うと思います。
僕は、年に、のべ1/3くらいは、新興国や途上国に仕事も兼ねて行くこともあります。
青年海外協力隊や、NGOで、アフリカの国の地方まで、行く人もいます。
または、アフリカどころか、アジアの国も行くことがなく、そういった話題は、たまにテレビで見るだけで、遠い世界という人もいるはずです。

また、海外には行かなくても、日本の被災地を支援したりなどは、もっと身近なはずです。

支援や、ボランティアといっても、その中では、NGOの利権があったり、善意の支援のはずが、結果的に現地の助けになってはいない等と問題点も度々指摘されます。

各々感じることもあるかも知れませんが、それは、多かれ少なかれ、事実です。

支援が、現地のエコシステムを育てない現実

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よく指摘されるような問題点として、例えば、「途上国の恵まれないこどもに、洋服を寄付しよう!」といって、古着の寄付を受け付けて、それを、アフリカの国に持っていく慈善事業があったとします。
これは、善意かも知れませんが、大抵の場合、現地の産業を破壊する結果に繋がるでしょう。
もし、あなたが住んでいる街に、服を無料で貰えるお店が、突然できたらどうでしょう?
定価で売っている今までのお店では、買い物しませんよね。今まで、洋服を売っていたお店は、潰れてしまうところもあると思いますし、お店だけでなく、その洋服を作っていた人の仕事もなくなります。
そして、寄付は、いつまでも続くわけではありません。
この場合、寄付が、止まったあと、その街に洋服産業は存在しないのです。

寄付に限らず、古着の輸入は、現地の洋服産業にとって打撃ですし、最近では、輸入を制限している途上国・新興国も、非常に多いです。

このようなことは、実際に起こっていることです。
最近では、そういった国際支援の問題点を描いた、ボバディー・インクという映画も公開されました。

その上で、近年の、この界隈のトレンドは、「支援ではなく、継続可能なビジネスを。」という風潮になっています。

とはいっても、途上国なんて、すぐに売上の上がるマーケットではないし、まともに成功している企業は、一握りです。

そこで、最近、もっと簡単に出来そうな、国際協力・CSRの方法を思いついたので、エントリーとして残しておこうと思います。

場所に制約されないで仕事が出来る現代だから可能な、CSR

今回、考えた、新しいCSRの活動とは、対象の国、または、地域に、サテライト・オフィスを構えることです。
サテライト・オフィスといっても、ちょっと広いアパートを借りれば、それで十分なのではないかな、と思います。

それこそアフリカのあまり発展していない国とか、東南アジアの程よい地方とかですね。
インターネットが、全く通じないほどの奥地まで行くと、色々苦しいと思いますので、程よい地方くらいが、ちょうど良いと思います。

 

サテライト・オフィスを構えて、何をするかというと、基本的に、何もしなくて良いのではないか、と思います。

何もしないで、元々いた、日本のオフィスでやっていた業務を、そのままやれば良いと思います。

インターネットが普及した、今の時代ならば、それが可能です。

僕は、自分の会社もやって、他社にも参画していますが、基本的には、場所には依存していなくて、何処にいても仕事が出来ています。
やり取りは、全てgoogle hangoutと、スカイプにして、書類などもスプレッドシートで、チーム間でリアルタイムで共有するのは、本当に簡単になりました。
勿論、中には、対面しないと進行しない業務もありますが、実際に精査をすると、そういった業務は、僅かです。それに、そういった場合でも、飛行機で、ちょっと日本で戻ることは、LCCの普及で航空券料金が下がっているので、お手軽です。

未だに在宅勤務にすらハードルを感じている会社の方だと、このことは、全く理解出来ないと思うのですが、今の時代、オフィスの場所なんて何処でも良いし、オフィスなんてなくたって良いんです。

日本の業務を持ったまま、自由に移動が出来る仕組みが,整ったら、途上国に住むだけ住むと良いと、思うんですね。
本当に、基本的には、住むだけ。

すると、こんなことが、期待出来ます。

①その地域にとって現金収入
まず、日本人が、住めば、その地域に、お金を落としますよね。
暮らす家の賃料も払うし、食材も買うし、レストランも利用すれば、その地域にとっては、外貨収入です。

②現地の情報の発信
次に、暮らすだけといっても、実際に、生活をするわけだから、現地人との文化交流は、行われる筈です。
異文化を触れ、その国のことについて、外国人である日本人が、発信をする。それだけでも十分な、国際協力だと思います。
その発信は、渡航した本人が、個人のSNSや、ブログで行っても良いし、会社のブログや、広報を通してでも良いでしょう。
いずれにしても、少なくとも、今の日本なら、非常に先進的な取り組みなので、注目される筈です。

③その地でビジネスを始める事前の下地づくり
例えば、ある企業が、アフリカの何処かの国に、こういった制度を用いて、サテライト・オフィスを構えたとします。
そのオフィスに、リモートワーク社員2・3人が、二ヶ月に一度くらい入れ替わりで、入るとします。

1年もすれば、その企業には、そのアフリカの国の知見が、随分貯まっていると思いませんか?
現地で信頼できる人間にも何人かは繋がるでしょう。

それこそ、短期で視察の出張を、数回した程度の人間が事業プランを検討するより、遥かに、ローカライズされ、角度の高い事業計画が出来そうです。
それで、ビジネスになりそうなネタがあったら、そのサテライト・オフィスを活用して、はじめて、その国で、事業を開始すれば良いと思うんです。
現地に住んでいる人が、事業計画書を作ってですね。

まずは、住むだけ。
日本、または東京で行っていた仕事を、全部持ってきて、その地でやる。
そういったことも可能になっているのが、人も企業も、ノマド化する21世紀です。
こういった新しい時代のCSR・国際協力は、ありだと思うんですよね。

また、この方法で、簡易サテライト・オフィスを立てる仕組みが社内で確立されると、通常の、リモートワーク・在宅ワーク業務も、かなりノウハウが蓄積されて、大変、生産効率の高い企業体質になるとも思われます。

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この写真は、エチオピアの首都、アディス・アベバで撮影したものですが、地方まで行かなくても、首都なら、ほとんどの国は、かなり住みやすいです。エチオピアは、ちょっとインターネットのスピードが遅くて、仕事が捗らないですけどね。

僕も、たまに、仕事と直接、関係ない地域や国に、足を運んで、業務してます。

ところで、途上国支援の話ではなく、震災被災地支援の話になるのですが、熊本震災のボランティア活動の負の側面について、警鐘を鳴らした、『ボランティアの病』という本は、大変、興味深い指摘が、多く書かれていました。
ボランティアの回りにいる人、被災地の人に、足を使った取材をして、まとめられた一冊です。
震災常連国に生まれた日本人としては、被災された地域に対し、何かするべき、と考えるのも当然ですが、行動する前に、この本は、読んでおくべきだと思います。

因みに、このエントリーで紹介した方法論で、震災被災から日が立っていない地域に、サテライト・オフィスを立ててしまうと、現地の少ない食糧を消費したりする場合もあるので、気をつけるべきでしょう。 最低限のライフラインが立ってからですと、有効な筈です。

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