大企業の不真面目さから、改めて振り返る、投資家がお金よりも大切にしていること。

PCデポの、情報弱者をカモにしている商法が明るみになって、詐欺と言われても仕方がないと、大変話題になっております。

立法の上で、この商法は詐欺とすることは出来ないでしょうが、確かに、少なくとも、真面目な商売とは言えません。

次から次に、様々な新しいネタが出てきて、僕は、途中からこの件は、あまり追っていなかったのですが、いつの間にか、株価700円(9月1日時点)、時価総額は炎上前の約半分になっておりました。

明らかな情報弱者向けビジネスをする会社が、パブリックであったということ。

経営者に対して、批判が集まっているのですが、この件で、あまり言及されていない指摘があります。
それは、この会社が、上場しているパブリックの会社であり、普段、売買されている市場参加者は、この実態に気づかなかったのか?ということです。
経営者も真面目な商売をしていないのは当然だけど、public-companyがこういったビジネスをしていて、今まで指摘されなかったという事実です。

結局、webライターの影響力を借りた被害者の告発という形で、同社の売上の源泉が、明るみにでましたが、それがなければ、この会社は、まだまだ、この年金搾取とも呼べるようなビジネスを続けていた筈です。

この一部上場企業が、株の買うことを検討する投資家にデューデリされ、この会社が、「顧客とどういった関係を築いてるか」「売上の本質は?」という疑問と指摘が、株主総会で糾弾されることも、または、インターネットなどで拡散することはありませんでした。
そういった部分を見ている投資家は少なかったのです。

ということを考えたときに、しばらく前に読んだ、ひふみ投信の藤野英人さんの著書の、『投資家が「お金」より大切にしていること』という著書を思い出したので、雑感を書こうと思います。

お金・投資・働く等のキーワードについて、本質を追いかけた本で、とても良い書籍です。
大学生のときに、紙の本で読んだけど、自炊して、データで持って、1~2年に一度開いています。

著者が、ファンドマネージャーを務めている、ひふみ投信も、目を見張る運用成績を上げていることからも、最終的な金銭的な利益も、その本質に、収束されることが、多いということも事実です。

以下、本書から一部引用です。

“経済産業省や金融庁の人たち、日本銀行や東京証券取引所の人たちと金融教育の話題になると、しばしば「学生に株式ポートフォリオゲームをやらせましょう」といった流れになります。
株式ポートフォリオゲームとは、たとえばバーチャルマネーを1億円持って、それをどの株に投資すればお金を増やせるか、競い合うゲームです。
しかし私は、そのような金融教育には大反対しています。
なぜなら、さきほど言ったように、会社は血の通ったひとつの生き物であり、株式はそれを「シェア」したもの、つまり「肉体の一部」だという認識を持たないままに投資ゲームを行うと、単なるマネーゲームになってしまうからです。
ビジネスや投資をマネーゲームだと思っているひとは、株価をデジタルなものだと感じてしまうでしょう。
株式(株券)を単なる紙切れだと言う人は、会社の価値を軽く見ているのだと思います。
本来あるべき金融教育とは、働くことに価値があり、その価値ある労働の延長に企業の利益があり、その利益の将来期待が会社の価値を形成していると理解することです。”

 

私は正直に言って、日本にはすごく不真面目な会社が多いと思っています。
それは、たとえば会社の株主総会を覗いてみると、端的にわかります。
本来、株主総会で話し合わなければいけないのは、「会社はどうあるべきか」「お客さんとどう向き合うべきか」「従業員とどういう関係を築くべきか」ということです。

会社は経済主体のひとつであり、社会との互恵関係で成り立っています。ならば消費者であるお客さんとどのように向き合うかを真剣に話し合うのが、株主総会の場です

この感覚を持つのは、大変難しいのも、分かります。
ですが、あるべき姿でもあるというのも、分かります。理想論かも知れないですけどね。

ちなみに、引用した部分から、”働くことに価値があり”の点を勘違いしている人は、悲しいほど多いので、この点も同著書から引用しておきます。

私たちはよく勘違いをしてしまいますが、お客さんにとっては、従業員の頑張りなんて、はっきり言ってどうでもいいんですね。たとえば、どんなに徹夜で努力していたとしても、出てくる料理が美味しくなければ、飲食店をして失格です。
逆に、あまり努力をしていなくても、美味しければ、お客さんは集まってきます。
「徹夜自慢」「寝てない自慢」をする人は多いですが、社長の仕事とはそういった「頑張り屋」を評価することではなく、お客さんにきちんと価値を提供できる人を評価することだと、私も思っています。

社会に価値を与えるとは何か?を、本質的に考えると、おのずと答えは出るはずですが、人も企業も、つい矛盾した行動をとりがちです。

今後も情報弱者向けビジネスは、なくなりません。

倫理観を無視したら稼げる情報弱者向けビジネスは、沢山あるはずですから、絶対にこういった話は、今後もなくなりません。

ただ、パブリックの会社であれば、そういった会社は、批判される世の中であるべきです。
株主が、会社の中身に向き合い、こういったモラルハザードを糾弾する株式市場になってほしいものですね。(念のため、短期トレーダーの批判ではありません。デイトレの参加者もいないと、株式市場の流動性は維持されません。)

日刊ゲンダイによると、【PCデポは「一連の騒動に関する会見の予定はありません」(広報担当者)。】らしいですが、素直に真面目な会社になって、真面目な対応をしたほうが、同社にとっても、良いと思うんですけどね。
そして、投資家にとっても、真面目な投資をしたほうが、最終的に利益を生み出す結果になりやすいだろうな、と改めて思った次第です。


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