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本日は、新しいハードウェアウォレットの紹介です。
取引所のハッキングなども事件もあり、暗号通貨ユーザーのセキュリティ意識は高まっていると思いますが、中々面白いハードウェアウォレットです。
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Digitalbitboxというハードウェアウォレットです。
開発会社よりサンプルを頂いたので、レビューします。
Digitalbitbox社は、スイスで創業した会社で、ビットコインコア開発者の1人であるJonas Schnelli氏も参画しています。
セキュアなまま、安価でコンパクトで使いやすいハードウェアウォレットを目指しているといいます。
値段も1万円を下回り買いやすい価格帯です。
日本国内の販売は、合同会社リベルタジャパン(Amazonの発送元表記ではデジタルビットボックスジャパン)が行っています。
では、特徴的な点をレポートしていきます。
対応通貨
対応通貨は下記になります。基本的にほとんどの人はこれで問題はないでしょう。
・ビットコイン(BTC)
・ライトコイン(LTC)
・イーサリアム(ETH)
・イーサリアムクラシック(ETC)
・ERC-20トークン
※ Ethereum系はMyethereumクライアントを使います。
Digitalbitboxのハードウェアウォレットとしてユニークな点
基本的にほとんど全てのハードウェアウォレットは、12単語のフレーズをオフラインに記録します。
これはオフラインに保存しなくてはいけないため、紙に書くのが一般的に推奨されます。
Digitalbitboxでは、この部分を紙で保存するのは面倒だし書き間違える可能性もある、といったところから、MIcroSDカードに移すという手法をとっています。
デバイスは下記の写真のようにMicroSDカードと接続されます。

リカバリーフレーズは、SDカードに保存されます。これは常にオフラインで保管しておけば、もしDigitalbitboxが葉損・紛失をしてしまっても、新しい新品のDigitalbitboxから復元、またはElectrumから復元できます。
また、他のユニークな機能として、誰かに恐喝をされたときの予防策「隠しウォレット」です。
最近は暗号通貨保持者に対する脅迫や恐喝事件も世界各国で起きています。
そういった万が一の事件が自分の身の回りに起こらないとも限りません。
そこで、Digitalbitboxおユニークな機能ですが、Hidden Walletというものがあります。
これは偽のパスワードとウォレットを設定しておき、それでログインすると残高ゼロの画面が表示されるというものです。
つまりしっかりログインして、「ほら暗号通貨もってないでしょ?」と言い訳できるわけです。
英語が苦手な人は、日本語の使用説明書が同封されています。

コードは全てオープンソース
ハードウェアウォレットに限らず、全ての暗号通貨のウォレットに言えることですが、信頼できるウォレットとしての必要条件は、「オープンソースであること」です。
ウォレットは自分の秘密鍵を用いて、ブロックチェーンに記述された対応する資産を動かせるソフトウェアと言えますが、これがクローズドソースだった場合、そこにバックドアが仕掛けられている可能性もありますし、第三者による脆弱性の検証が困難になります。
もちろんオープンソースであれば、絶対に安全ということはなく、無害なコードGitHubに置いて、悪意あるバイナリを配布するというような手法もできますが、それでもセキュアなウォレットはオープンソース
であることが前提です。
この点に関して、Digitalbitboxのウォレットは全てオープンソースで設計されています。
firmware, bootloader, デスクトップとモバイルのアプリの全てがオープンソースになっています。
ちなみに、その他のハードウェアウォレットに関しては、Trezorは全てオープンソースですが、Ledgerは一部クローズドコードがあります。
購入にあたっての注意点
最後にハードウェアウォレットを購入にあたっての注意点です。
①ハードウェアは中古で買わず、必ず新品購入を
ハードウェアウォレットは、まず中古品は絶対に買うべきでないことは常識です。
ヤフオクやメルカリなどで販売されているものは、そこに悪意あるマルウェアを仕込んで販売されている可能性もありますし、もしその場合だれも責任はとってくれません。
②業者から購入する際の注意点
また、Amazonで買う場合も注意が必要で、正規業者であるかは確認する必要があります。
これは同じ理由で、マルウェアをいれたうえで販売している業者がいないとも限らないからです。
今回紹介しているハードウェアウォレットもですが、多くのウォレットには正規業者がいますので、販売元を確認して購入しましょう。
Digitalbitboxに関しては、合同会社リベルタジャパン(Amazonの発送元表記ではデジタルビットボックスジャパン)が独占販売権を獲得しているとのことなので、こちらから買うべきでしょう。

③パッケージが開封されていないかの確認
最後に多くのハードウェアウォレットには、間違いなく新品であることを証明するためにパッケージに工夫がされています。
例えば、Trezorは下記のようなホログラムシールで、一度外すと綺麗にはならない仕様になっています。

Digitalbitboxのパッケージはこのような真空パックのような感じになっており、一度でも開けたら分かるようになっています。
(パッケージ仕様は変更になるかもしれませんが、2018年3月時点のものです)
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
個人的には、中々お勧めできるウォレットではないかと思っており、高評価をつけたいです。
とりわけ暗号化したデバイスのなかで、そのままパスフレーズをmicroSDカードに写し、オフラインで保存できるのは良いアイデアではないかと思います。
ただしまだ発売して間もないですし、今後ぜい弱性などが発表される可能性もあるので、シリアスな金額などはいれず、Trezorとあわせて使っていく形にしようと思います。
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