Ethereum

2018年時点におけるEthereumの7つのキラーアプリ

Ethereumでは、スケーリングの解決が当初期待されていたより遅れているという現状はありながらも、今年、多くのプロジェクトがメインネットでローンチをしました。
Ethereum自体も、競合が現れながらも、有望なプロジェクトが多く存在するビットコインに次ぐパブリックブロックチェーンとしての地位を保っています。

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また、そのプロジェクトの中で 一定のユーザー数を獲得し、規模が拡大しているアプリケーションも存在します。

2018年、ブロックチェーン業界では昨年流行ったHODL(暗号通貨を保有し続けるHOLDの意)からBUIDL(アプリケーションを作り上げるBUILDの意)へシフトをしています。

具体化を持ち始めるEthereumの代名詞

Ethereumは、その歴史を振り返るとローンチから1年目は、その代名詞が「ビットコイン2.0」でしたが、近年は代名詞が「オープンファイナンス」「クリプトコレクティブ」「DApps」になってきています。


(引用:  https://tokeneconomy.co/visions-of-ether-590858bf848e )

ネットワークの代名詞が「ビットコイン2.0」という具体性には欠けたものから、これらに移り変わっていることは、やはり実態も具体性があるものが出来上がりつつあります。

下記のツイートでは、Ethereumのキラーアプリとして、7つのテーマが紹介されており、本コラムではそれらを解説します。

7つのEthereumのキラーアプリ

1. Crowdfunding (ICOs)

Ethereumにおいてキラーアプリの一つはICOであることは否定できないでしょう。
2017年はICOバブルという年で、様々なプロジェクト二桁Millionの資金調達を実施しました。
技術的には、グローバルでトランザクションが送れ、スマートコントラクトによって必ず平等な条件でトークンを配布することができ、それが可視化されているのがオンチェーンでICOを行うことのメリットです。
最も2018年末時点において、資金調達の中心はICOからプライベートセールなどに移っていることを下記のブログで詳しく説明しています。

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2. Stablecoins/loans/leveraged trading (Maker DAO)

2つ目のキラーアプリはMakerDAOをはじめとするStablecoinです。
Stablecoinは多く存在しますが、その中でもDAI(MakerDAO)は、分散的に管理をするStablecoinであり、急速に存在感を高めています。
DAIの発行には、Collateralized Debt Position Smart Contracts(CDP)が使用されます。
ユーザーが、ETHをCDPのスマートコントラクトに預託をすることで、DAIの発行ができます。
この担保プールを分散的に管理をするのがDAIの仕組みです。
StablecoinのDAIはDEXなどの経済圏に入り込んでいます。
執筆時点で、ETHの全供給量の1%以上が、MakerDAOのスマートコントラクトにロックアップされています。

MakerDAOに関しては、こちらでレポートを配信しています。

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3.DEXs

DEXは、ユーザーが秘密鍵をクライアントサーバーに預けなくても利用できる取引所です。
上述のDAI、加えて、dYdXやcoompoundなど、スマートコントラクトを使用したマージントレードやレンディングのプロトコルも登場しており、これらOpenFinance(分散型金融よも呼ばれる)という新しいカテゴリを作っています。

執筆時点で、0x系のリレーヤー軍とIDEXが、EthereumのDEXのボリュームの大半を占めています。

(参照:https://etherscan.io/stat/dextracker?range=7

それぞれ詳しく解説をしたレポートを配信しています。

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4. Digital collectibles

トークンにユニークな値を付加できるERC721(Non-Fungible Token)の規格が標準化されて以降、Ethereumでは多くのゲームがローンチしました。
Non-Fungible Tokenとは、Fungibleでないこと、つまり代替可能性がないことを前提にしています。
そのトークンそれぞれに色をつけられるという仕様です。
具体的には、ゲームを有利に進められる固有のパラメータや、ゲームの文脈以外でも利用できるかもしれないメタデータを各トークンに処理できます。
CryptoKittiesを代表として多くのゲームが生まれています。
後続を多く生み、Etheremon、Gods Unchainedなどが生まれています。
日本からもMy Crypto Heroes、くりぷ豚などのゲームが開発されています。

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5. Prediction markets

2018年7月に、分散型予測市場のAugerがメインネットがローンチしました。
Augerは、誰もが未来予測に関するイベントを作成できます。

予測した結果の検証をレポーターと呼ばれるネットワークに参加をする不特定多数の人によって、行います。
トークンを用いてゲーム理論的に、第三者が管理しない予測市場を実現しました。
米国の中間選挙などで賭けが行われていたり、ブックメーカーのような使われ方をしています。
(参照: Nearly $1 Million Betting on Augur that Democrats Will Take the House in Mid-Term Elections )

6. Freelance/bounties platforms (Gitcoin)

Gitcoinは、オープンソースのコミュニティで使用できるバウンティのプラットフォームです。
Grow Open Sourceをミッションにして、オープンソースコミュニティが課題を提示し、世界中からコントリビュータを集います。
執筆時点で約$400Kがプラットフォームで使用をされています。
支払いはDAIやETHで、どこからでも為替やトランザクションコストを気にせず、クラウドソージングされています。

(参照:https://gitcoin.co/

7. Payment channels/streaming payments (SpankChain)

SpankChainは、アダルトコンテンツのライバーなどにマイクロ課金できるプラットフフォームです。
Etheruemのスマートコントラクトを用いたペイメントチャネルを利用して、少額な課金ができます。

数分程度のパフォーマンスに少額の都度課金ができたりすることは、クレジットカードなどでは難しい体験です。
また、アダルト市場というエリアでは、ライブパフォーマンスする人はPayPalなどを利用できなくなったりすること(しばしばBANされる)や、利用者はクレジットカードに明細を残したくないということも考えられ、それらのニーズの解決もしています。
数円単位で課金ができるマイクロペイメントは暗号通貨・ブロックチェーンが可能にすることとして、長い間、信望者が存在しますが、Ethereumでも少しずつ形になっている事例です。

まとめ

以上が、現在、Ethereumで最も使われている、今現在におけるキラーアプリです。
これを見ると、今後、ブロックチェーンがどのように使われ、どのようなアプリケーションができるか少し予想しやすくなるのではないかと思います。

また、2017年末において、Ethereumのキラーアプリは、バブル化にあった「ICO」というツールしかなかったと言っても言い過ぎではなく、本コラムで取り上げたテーマはほとんど2018年に作られ使われ始めているものです。

故にまだ未成熟ですが、これからも早いスピードで改善が期待されると言えます。

また、EthereumはこれからSerenityのアップデートに向けた議論も活発になると予想されます。

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来年時点でのキラーアプリはまた違ったものになるでしょう。

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