Libra

グローバル企業vs国家という観点でFacebookがイニシアチブをとる暗号通貨Libraを考察する。

d10n Labでは、レポート「グローバル企業vs国家という観点でFacebookがイニシアチブをとる暗号通貨Libraを考察する。」を配信しました。

前提

本レポートでは、FacebookがイニシアチブをとるブロックチェーンであるLibraについてグローバル企業vs国家という観点で考察を試みます。

同プロジェクトに対する概要や技術的概観は、下記のレポートで取り扱いました。

本コラムでは、当該プロジェクトに対する筆者の考察です。
本考察は2019年6月時点で明らかになっている情報を元に行っていることを免責しておきます。

国家を超えるグローバル企業の象徴

まず、Libraは、複数のグローバル企業の集まりによるブロックチェーンですが、5年後のマネタリーベースが国家級になると、いよいよ企業は国家を超えてくるだろうと推測できます。

GAFAに代表される企業の影響力は非常に大きいことは言うまでもなく、また、Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftの5社を合わせたキャッシュフローは、すでに日本国のキャッシュフローを上回っています。

Facebookは20億人以上のアクティブユーザーを抱えそのユーザー数はいずれの国の人口よりも多いです。
また、Amazonは、プライム会員が1億人を超えており、1億人から毎年予測可能なキャッシュフローがはいり、国家の徴税より前向きな課金であり、その規模はほとんどの国家より大きいです。

これらはすでにこれらの企業の力が、国家に近づいていることを示していますが、Libraはこういったグローバル企業を本当の意味で超えていく可能性があります。

経済力が強くない国では、その傾向はより顕著でしょう。
Libraによって5年後、途上国の法定通貨が現地で使われることが減ると予想できます。これは新しいお金が生まれると避けられない未来です。
Libraとアフリカの小国の通貨ならLibraのほうを皆受け取りたいと思うのはイメージしやすいでしょう。
ただそうするとその小国は金融政策ができなくなり中期でこれは深刻かもしれません。

では、より先進国に対しては、どうでしょうか。

数年後にLibraが、アダプションしたあとに担保資産を債券や法定通貨からFacebookやコンソーシアム企業の株式に移行していくことなど出来ることは想像に硬くありません。
Libraは裏付けでもある担保資産を「Low Risk Assets」に投資をするとしていますが、Low Risk Assetsとはいかようにも使える曖昧な定義です。
もしかしたら、3年後には、「Facebook株式もLow Risk Assetsです。」という論理で、担保資産から法定通貨の割合が減り、Facebook株が混ざっているかもしれません。
その場合、いよいよこれはグローバル企業が国家の通貨発行権に挑戦するようなシナリオになる可能性があります。
これはFacebookらが、実際にLibraに自分たちの株式を混ぜようとしているか目論んでいるか否かということは重要ではなく、彼らのLibraが広く使われる通貨のようなものになったとき彼らには組入アセットを変更する力がある、それ自体が大きな問題になり得る可能性があります。

本レポートでは下記を扱っています。

目次
*前提
*Libraは国家を超えるグローバル企業の象徴
*Libraはアメリカの銀行産業の壁があったからこそ誕生している構想
*Libraホワイトペーパー発表後の各国当局の反応
*総論

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