技術解説

BlockStream社がローンチをしたビットコインのフェデラルサイドチェーンであるLiquidについて

ビットコインと互換性があるフェデラルサイドチェーン

d10n labでは、ビットコインのレイヤー2などの開発を進めるブロックチェーンスタートアップのBlockstreamがローンチした、サイドチェーン「liquid」について解説をするレポートを配信しました。

liquidは、フェデラル(コンソーシアム)サイドチェーンであり、ビットコインと互換性がありながらも、サイドチェーン自体は、特定の企業グループによってバリデートされ、管理されます。

https://blockstream.com/liquid/

ローンチ時点の参加メンバーは以下の通りです。

Altonomy、Atlantic Financial、Bitbank、Bitfinex、Bitmax、BitMEX、Bitso、BTCBOX、BTSE、Buull Exchange、DGroup、Coinone、Crypto Garage、GOPAX、Korbit、L2B Global、OKCoin、The Rock Trading、SIX Digital Exchange、Unocoin、Xapo、XBTO、Zaif

の世界中の取引所グループです。

これらのグループが、サイドチェーンを管理して、ペイメントネットワーク、取引所間のアービトラージなどを構築できるようにします。
もちろんサイドチェーン上のビットコインの取引は、メインチェーンのブロック生成に左右されず、高速な取引ができます。
本レポートでは、liquidがどのように動き、どのように作用をするかの考察を深めます。

liquidのホワイトペーパーは下記です。
https://blockstream.com/as…/downloads/strong-federations.pdf

ホワイトペーパーのリリース自体は2015年であり、当初のスケジュールからは遅れたローンチになっています。

blockstreamの初の商用ソフトウェアとしても目論見されるliquid

BlockStream社にとって、liquidは初の商用ソフトウェアです。
同社は2014年に暗号学者のAdam Backによって設立され、Greg Maxwell(2017年に退職)らなどビットコインのコア開発者、暗号技術のスター開発者が多数在籍しています。
創業時には$22Mを調達、2016年のシリーズAでは$55Mを調達しています。
主要投資家には、MasterCared、Horizons Ventures、Mosaic Venturesなどが並びます。

同社のビジョンや会社としての標語は、Rethinking Trust(信用の再定義)、Don’t Trust Verfy(信用するのではなく検証せよ)であり、ビットコインに関連するオープンソースソフトウェアの開発を行ってきました。
また、同社は上述の通り、多数のビットコインコア開発者を採用していますが、オープンソースのビットコインのコードに貢献するそれ自体では、開発者は報酬を得ることはできず、彼らに給与という形で支援をしていたのもBlockStramです。

しかし、それでは、当然、BlockStream自体も営利企業としては成り立つはずがなく、同社も株式会社としてしっかりビジネスを行う必要があります。
同社はこれまで、下記のプロジェクトをローンチしてきました。

greenaddresshttps://greenaddress.it/en/
ービットコインウォレット

Elements https://elementsproject.org/
ービットコインのサイドチェーンのための開発者キット

Blockstream Satellitehttps://blockstream.com/satellite/
ー衛生でフルノードにアクセスできる構想。帯域や地理的不利を解消することが目的。

ビットコイン価格のデータフィード https://blockstream.com/ice/
ーICE(ニューヨーク証券取引所親会社)と、複数の取引所と連携し、ビットコインの基準価格を算出

その他にも、Lightning Networkをはじめとしたオープンソースプロジェクト複数に関わっています。

一部の紹介として例えば、

マイクロペイメントで支払いし、動画を再生できるLightning Network Jukebox

Lightning Networkで支払いができるEコマースサイト

https://store.blockstream.com

などがあります。

しかし、上述のプロジェクトは、いずれも革新的かつトラストレスなレイヤーとして非常に興味深いものの、そのほぼ全てがオープンソースであり、これではビジネスが成り立つことは容易ではなく、約80億円も調達をしながら、どのようにビジネスをしようと考えているかは疑問が抱かれていました。
そのBlockstreamの主要なビジネスだろうと思われているのが、このLiquidです。
Liquidは、同社がリリース済みのElementsをもとに構築されています。

liquidの主要な機能

・高速な取引(即時ファイナリティ)
liquidのサイドチェーンは、ビットコインとペグされたネイティブトークンであるL-BTCを持ちます。
このL-BTCはいつでもビットコインのブロックチェーンにスワップすることができます。
これによって期待されるユースケースは高速な取引体験、決済、マイクロペイメントなどです。
トランザクションのファイナリティは2分以内に得れるとしています。

・liquid上でのトークン発行(Issued Assets)
liquid上でトークン発行が可能です。これはセキュリティトークンやStablecoin、コモディティなどが想定されます。
つまり、金融商品取引のソフトウェアとしても期待されています。

・トークンのアトミックスワップ
liquid上のトークンAとトークンBはアトミックスワップが可能です。
さらにliquidサイドチェーンは今後異なるコンソーシアムも出てくるはずです。
すると、liquidサイドチェーンαのトークンAと、liquidサイドチェーンβのトークンBのアトミックスワップもできるとしています。


(Liquidホワイトペーパーより引用)

・ユーザーフレンドリー
基本的にliquidのサイドチェーンでも設計上、秘密鍵はユーザー自身が保有するものであるというアーキテクチャです。
しかし、ローンチ時点で取引所コンソーシアムになっていることから、取引所アカウントをインターフェイスにして、より容易なUI/UXになるだろうと期待されます。

・プライバシー(Confidential Transaction)
Liquidには、Confidential Transactionsが採用されています。
トークン化された金融商品の取引が、ビットコインのパブリックブロックチェーンと同様のプライバシーでは機能しないためです。
Confidential Transactionsは、取引の詳細を当事者間でしか分からなくする技術です。
ビットコミットメントを利用し、通常のビットコインのトランザクションで表現されるビットコインの総量をPedersen commitmentsに置き換えることで、そのblinding factorを知る当事者でしか分からなくします。
秘匿性を保持しながらも、フルノードが入力のコミットメントから出力のコミットメントを引いて合致していれば、不正が行われていないと証明できるとしています。

d10n labで配信をしたレポート全文では、これらがどのように動くか、またLughtning Networkとの立ち位置の違い、想定されるユーザー体験などについて解説しています。

目次
*ビットコインのフェデラルサイドチェーン
*blockstreamの初の商用ソフトウェアとしても目論見されるliquid
*liquidの主要な機能
*liquidで想定されるユーザー体験
*Lightning Networkとの違い
*パブリックブロックチェーンと互換性のあるコンソーシアムチェーンやプライベートチェーンの重要性
*総論

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