暗号通貨マーケット

2018年Q2のブロックチェーン業界のお金の流れを俯瞰する。ICOプロジェクトがETHを売却していることは本当か?etc

久しぶりにマーケットについての所感を書きます。
1-2ヶ月に一度しか書かない市場観測レポートなので、執筆時点でのマーケットの状況を広範に扱い、お読みいただいた方の現在の暗号通貨市場、およびブロックチェーン業界の資金の流れの解像度が高まればと思っています。

本レポートでは、

・ETHの価格の下落
・ビットコイン市場の大きなリスク
・ICOのプラベートセールやブロックチェーンプロジェクトの調達環境
・業界全体の資金の流れ

まで触れます。

網羅性が高く仕上げられたと思いますので、現在のマーケットの状況の認識について参考になれば幸いです。

下落をするETH価格、ICOプロジェクトがETHを売っているということは本当か?

執筆時点で、昨年高騰したETHの価格は円建てで2万円を切ろうとしており、最高値の80%下落を記録しています。
昨年は、多くのプロジェクトがETHでICOを実施しており、それらのプロジェクトが保有をするETHが売却されていると市場で推測されています。

この指摘自体は正しくもあり、間違っているとも言えます。
ETHがICOプロジェクトによって売却されていることは事実ですが、市場参加者が思っているほど、プロジェクトはETHを売却していないということが事実と言えるでしょう。

これに関しては、分析会社のDiar NewsletterのLarry Cermak氏の意見を引用します。

彼によると、2018年の9月時点で、ICOのプロジェクトが調達し、彼らのアドレスに保有をされていたETHは市場全体の供給と比較して、4.5%であったとしています。
同じく、2018年4月時点で、ICOプロジェクトの保有をするETHは、3.7%であったとしています。

つまり、ICOプロジェクトによるETHの売却は約20%であり、売却されてはいますが、それほど大きい数字とは言い難いと言えます。

また、下記のサイトは、主にICOで調達したブロックチェーンプロジェクトのEthreumのアドレスをトラッキングして、いつどのくらい出金したかを追跡するサイトです。
給料など支払いと思われる出金から、各プロジェクトがどのくらいETHを売却しているかまで追跡できます。


http://www.dappcapitulation.com/

ちなみに、このようにブロックチェーンの情報からファクトがとれる情報については、なるべくブロックチェーンからファクトを取る方が望ましいですし、自分でそれを行うことが時間的コストなどで難しかったら、ブロックチェーンの情報から分析していてる人を参考にすることが良い選択だと言えます。

以上のように、ICOで調達をしたプロジェクトはまだETHを20%程度しか売却をしていないうデータがあります。

もちろん、この20%の売り圧力はそれなりに大きかったかもしれないですが、同時に、買い需要にも目を向けてみると、昨年のETHの大きな買い需要であったETHへのICOによる需要が細くなっています。

とはいうものの、PwCのレポートによると、2018年のICOの調達金額は、すでに2017年の2倍になっているというデータがあります。
https://cryptovalley.swiss/wp-content/uploads/20180628_PwC-S-CVA-ICO-Report_EN.pdf

ですが、この中で特に大きい金額でEOSでICOをクローズしたEOSは、ETHを早期に売却していますし、それ以上に重要なことは、現在のICOのプライベートセール
は優先株(トークンが上場し価格がついたらトークンに転換)、次にSAFTで調達することが増えていて、これらにはETHで調達するものもありますが、ETHを介さないことも多くあります。
つまり、ICOでETHが用いられることは昨年より減って、その買い需要が減っているとも言えます。

これに関しては、6月時点の状況ですが下記のレポートでも触れています。

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なお、現在、gasで消費をされているETHは、直近1年間で$185Mだとされています。

ネットワーク使用料のユティリティーとしてのETHの使用がどの程度かという目安になる数字だと言えます。

d10n labで配信をしたレポート全文では現在のマーケット環境を総合的に網羅しています。ぜひご参考にください。

目次
■下落をするETH価格、ICOプロジェクトがETHを売っているということは本当か?
■ビットコインの価格の下落と、現在のビットコインのマーケットにとってのリスク
■2018年のブロックチェーン業界の状況、業界全体のお金の流れを俯瞰して捉える。
■ICOのプライベートセールとスタートアップ投資
■ICOはレモン市場であったが、現在はレモン市場ですらない
■総論

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