取引所

OKExと中国のエコシステムを総括するOK Groupを概観する

本レポートは、Meika Yamamoto(Twitter:https://twitter.com/meikamiyamoto97)さんの寄稿レポートです。

これまでも数回に渡って、中国ファンドや取引所の実態について、中国語の情報源を駆使して密度の濃いレポートを寄稿していただいています。

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OKExは取引量世界2位(2018/12/1時点)、取引手数料は業界最安の0.03%、レバレッジ取引やインデックス取引等も実施する取引所で、トレードマイニングや投票に利用できるトークンも発行しています。

OKExは中国市場にフォーカスしているため、英語・日本語の分析記事がほとんど存在しません。そこで今回はOKCoinに関して、中国国内での存在感やポジション、BinanceやHuobiとの関係性に主眼をおきつつ詳細に分析していきます。

略歴

OKExは2014年にStar Xuと呼ばれる人物によって設立された、取引所OKCoinを母体とする取引所です。XuはOKCoinと呼ばれる中国取引所(https://www.okcoin.com/)を2013年にすでに創設しており、ゆえにOKExとOKCoinは兄弟取引所となります。

OKCoinとの関係
Star XuはOKCoinの子会社としてOKExを設立、当時はOKCoinがFiatと仮想通貨の交換を、OKExが仮想通貨同士のエクスチェンジをする取引所だったようです。(当時の中国政府がICO等の仮想通貨規制を開始したことで、OKCoinのサービスが一時的に停止されたため、法定通貨の入金がない取引所を作ろうとしていたようです。)
もっとも、今はすでにOKExもFiatを取り扱っていますしOKCoinが実施していたUSDT取引や先物市場も開始していて、OKCoinよりもはるかに取引量も多くなっていることから、両者は相互補完的な取引所ではなく別の取引所になったと考えた方が良いでしょう。

ただ現在でも実態としてはOKCoinを中心とするOK Group内にOKExは位置しており、OKExは資本関係で言えばいまだにOKCoinの子会社になっています。実際にOKExとOKCoinはどちらもOK Groupとして同じオフィスを使用しています。

OK GroupにはOKExの他にもOKCoin(取引所)、OKLink(ペイメントサービス)、OK Blockchain Academy of Engineering(ブロックチェーン技術者育成プログラム)、OKCoin mining(マイニングプール)そして後述するEOSのBP候補であるOK Blockchain Capital(ファンド)などの関連事業があります。

拠点はOKCoin、OKExの双方とも香港に置かれています。

ゆえに、OKExは後述するように自身のマイニングプールやシンクタンクを保有していないのですが、これはOKEx単体ではなくGroup内に同事業をすでに保有しているためであると考えられます。

このOKCoinにはBinance創設者であるCZがCTOとして勤めていましたし、Huobiの創設者李林を始めHuobiとの関係でも人員が流動的に移動していて関係は良好であることから、OKCoinが事実上中国仮想通貨業界の3大取引所の総元締めであると言えます。特にHuobiとの関係は良好であり、以前は同じオフィスを使用していましたし、仕事終わりに李林とStar Xuが一緒にビールやワインを飲んでいる姿がなんどもSNSにアップされています。

キーパーソンStar Xu

Star Xuとは(徐明星、スター・シュウ)
OKExおよびOKCoinの創設者として知られているのがStar Xuです。

彼自身はHuobi創設者李林、杜均、Binanceの創設者CZらと並び中国の仮想通貨業界で非常に大きな影響力をもち、エンジェル投資家としてクローズドに投資を実施しています。

彼の生い立ちについて見てみると、1985年に江蘇省で生まれ、現在33歳です。小さい頃から数学が好きで、北京科学技術大学に入学、物理学を研究していました。しかし理想を追求するだけでは研究を現実に実装できないとして、現実的なビジネスの必要性を感じ始め、大学を中退しました。そしてヤフーのサーチエンジンに関するプロジェクトマネジメントおよび技術開発やDouding.com(中国最大のソーシャルリーディングプラットフォーム)を創設したりする中で、2012年にDouding.comを退職、Bitcoinの分散的な思想に共感していたことからこれをビジネスにするべくOKCoinを設立しました。

取引所としてのOKEx

OKExはHuobiやBinanceとは異なり、自社取引所を中心とする生態系を構築する方向性が見られず、もっぱら取引所業務に力を入れているように思われます。実際にアルトコインの取扱数やトレーディング手法の種類は多彩で、Coinmarketcap上での取引量も世界一となっています。では以下具体的に取引所としてのOKExがどのようなサービスをユーザーに提供しているのか、みていきましょう。

まずBinanceがFiatの入金を受け入れていないのとは対照的に、OKExでは仮想通貨とFiatのどちらも取扱があります。法定通貨の入金の際にはコンプライアンスを遵守する意識はあるようで、KYCを完徹するためにパスポート番号の入力や銀行口座との紐付け、パスポートの画像の提出やビデオによるverificationもあります。米ドルと人民元を取り扱っています。

取引量は世界最大級であり、CoinmarketCapでは現在16億米ドルとなっています。

OKExの仮想通貨ペア建て取引に関してはBinance,Huobi同様にステーブルコインの取引が多めです(https://coinmarketcap.com/exchanges/volume/24-hour/)。OKExのペア取引に関しては225のコインについて622のペアがありますが、BTC/USDT、EOS/USDT、ETH/USDTのペアが常に取引量が多く、この3つのペアだけで全取引の47%を占めています。(ただし最近10/31には取引量や流通量が少ない50のペアを廃止しました。)

取引量は世界第二位でBinanceに後塵を拝していますが、手数料は業界で最安値の0.03%となっており、20倍までのレバレッジ取引やBTCやLTCについての先物取引やBitmex以外に実施していなかった無期限取引も実施開始、マージン取引/インデックス取引も実施するなど流動性はBinaceと比較してもかなり高いものとなっています。

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このほか、独自トークンの解説や、取引所以外の活動、最近注目されるEOSとの関係などを詳細にまとめています。

【目次】
概要
キーパーソンStar Xu(徐明星、スター・シュウ)
取引所としてのOKEx
取引所以外の活動
最近注目されるEOSとの関係
中国国内にフォーカスした経営
度重なるトラブルの多発とユーザーの不信感
Star Xuの逮捕騒動
OKCoinオフィス内への不審者の不法侵入
BCHハードフォークに伴う先物取引の強制停止

(続きは、d10lab研究所サロンに入会してお読みください。)

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