Ethereum2.0を大まかに理解する
Ethereumコミュニティの開発者カンファレンスのDevconで、Ethereumの開発ロードマップの最終フェーズであるSerenityのリサーチに関する発表を行いました。
Ethereumの開発ロードマップは、当初から、Frontier、Homestead、Metropolis、Selenityの4段階に別れていました。
Selenityでのアーキテクチャをどのようなものにしていくかについては、初の発表でした。
3段階目であるMetropolisは現在テストネットで稼働しており、年明けにハードフォークを行い、メインネットとしてローンチをすることになります。
Metropolisがローンチをすると、次はSelenityの開発に向けて議論が進むことになります。
本レポートでは、Selenityの現段階で検討をされている大枠の概要の理解をすることを目指します。
なお、Ethereumのコアのコンセンサスのアップデートに関する研究については、議論が長引いたり、予定されていたアーキテクチャが大きく変更されることが多々あります。
その点でリサーチ・学習をするには、コストが重い部分もあることは、自分自身の実感としても感じています。
そういった背景から、本レポートでは、細かい部分には深い入りせず、あくまで一般的に業界でビジネスをする人や投資家目線で、ざっくり知っておくべきオーバービューというレベルで2018年のDevconで発表された段階での、Ethereum2.0・Selenityについて概観します。
Devconの発表動画に関しては、下記のリンクから視聴できます。
https://slideslive.com/38911427/devcon4-day-1
また、当日のVitalikの資料に関しては、下記リンクから確認できます。
https://ethfans.org/posts/ethereum-2-begins-from-2014
Ethereumは大規模なトランザクションを処理することを可能としながらも、出来るだけ分散的なネットワークを目指し、EOSなどに代表されるようなBFT形式のPoSのモデルを取り入れず、様々なリサーチをしています。
それらが、PoS(Casper)、Sharding、EWASM、Cross Contract Logicなどであり、Ethereum2.0では、これらを全て取り入れる予定だとしています。
それぞれの技術について個別に、このレポートで説明をすることを避けますが、これらをどのように構成し、Selenityにしていくつもりであるか概観します。
Ethereum2.0、Serenityのアーキテクチャーのこの全体の図にしたもので、SerenityリサーチャーであるHsiao-Wei Wang氏のイメージがわかりやすいです。

d10nLabで配信をしたレポート全体ではこれに関する理解を深めていきます。
目次
*Ethereum2.0を大まかに理解する
*Ethereum2.0を構成するレイヤリング
*Ethereum2.0を実現する4段階
*PoS用のASICの開発でFilecoinと連携
*総論
*Ethereum2.0参考リンク
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