法・税制

「仮想通貨大国」の危うさ。日本の暗号通貨の規制と税制、お金の流れから見る絶対的な問題点。

日本は、2017年「仮想通貨元年」と、ビットフライヤー社がコピーを打って、本格的に市場が立ち上がりました。
そして、世界ではじめて仮想通貨に対する規制を施行して、事業者を登録制にした国でもあります。

国会で麻生財務相は、3月「日本が仮想通貨で1番進んでいるというような発言があり、一部メディアでは、「仮想通貨大国」などという言葉も出てきますが、その評価は完全に過剰だと言うのが、僕の認識です。

その理由を下記で詳細に説明します。

日本の暗号通貨の規制の問題点

まず問題点として、日本の仮想通貨規制は、設計ミスも多々あり足を引っ張ることも多いです。

というのも、金融目線で作られた規制なので、Dappsやトラストレスなテクノロジー、アトミックスワップやライトニングネットワーク、DEXなどの開発はどうするべきかは分からないまま、先に規制が決まったことがあります。
取引所のサービスレイヤーの開発が
そして、コインのホワイトリストという制度があり、国内の取引所には新規でアルトコインが中々上場できず、日本で取引出来ないアルトコインを求めて、BinanceやBittrexなど他国の取引所に日本居住者の顧客が大量に流れています。

日本の暗号通貨に関する税金の問題

次に、現在の暗号通貨に関する税金の問題点を考えます。
2018年時点の暗号通貨の税制の現状を改めて振り返ると、日本の暗号通貨の税制は、雑所得通算課税になります。
個人の最高税率は、住民税と合わせて最高税率で55パーセントです。
また、日本円との交換だけでなく、「ビットコイン ⇔ アルトコイン」、「アルトコイン ⇔ アルトコイン」も利益の確定に含まれ、課税対象になります。
問題は大きくわけて、2つです。

まず、第一の問題は単純に税金が高いことです。
世界的に見てこれほどキャピタルゲインが高い国はありません。
暗号通貨の世界はそもそもの思想から国境などなく、業界がグローバルに繋がっています。
金融の世界で、お金は自由で、かつ安いところへ流れることは常識です。
この高い税金は結果として、国益を損ねるだろうと言わざるを得ません。

そして、2つ目の問題点は、規制と同様ですが、この税制は暗号通貨の特殊性を考えずに、金融商品と同じような想定で税制が組まれていることです。

ご存知のように、ビットコイン(BTC)やその他の暗号通貨は支払いにも使用し得ます。
しかし、今の税制では、その支払いのたびに利益確定の扱いになり、取得平均価格を算出し、支払い税金を計算する必要があります。そんな面倒くさい仕組みで一般利用はできるでしょうか?

暗号通貨の文脈では世界をリードするために、各国に先駆けて法整備をしたはずが、これでは世界をリードできるはずもありません。また、暗号通貨は将来の実現に向けて様々な新しい技術の開発が日々進んでいます。
例えば、取引所を介さず、異なるブロックチェーン上同士のアセットを交換できるインターオペラビリティ、マイクロペイメントを実現するライトニングネットワークなどが挙げられます。
マシンtoマシンで高速で少額のアセットを交換するような新しい経済圏の未来予想もあります。そのトランザクションのたびに、取得平均価格から納税金額を計算するというのは、非常に非現実的です。

暗号通貨に関連する日本からのお金の流れ

日本で暗号通貨に関連するお金の流れを整理しますと、このようになります。


・中国でマイニングされたビットコインを日本円で輸入する
・ビットコインを通して、世界からICOトークンや草コイン(ジャンク債)を購入
・XRPなど海外の株式会社が販売するトークンを日本円で買う
・海外取引所の顧客として手数料を落とす

以上ように、ともかくお金が国外に流れているという構造です。

ビットコインの取引ボリュームだけにおいては、仮想通貨大国かもしれませんが、このままの構造では取引ボリュームが増えれば増えるほど、日本からお金がでていくでしょう。

自国でマイニングしたビットコインをグローバルに向けて販売することは輸出産業であり、自国に外国のプロジェクトのICOトークンを自由に販売させることを野放しにするのはジャンク債の販売を自由化しているのと同じである、という説明は下記の記事でしています。

中国政府(PBoC)のICO規制や、暗号通貨への対応は、国家として非常に合理的です。
中国当局にとってビットコインは、そもそも規制すべき資金流出の懸念なのか?

日本は「仮想通貨大国」ではない。

バブル当時、ジャパンアズナンバーワンと呼ばれた一時期、円が基軸通貨になるのでは?という論調が一時期あったそうです。
しかし、世界最大の軍事力と石油決済ネットワークを持ったアメリカや、為替市場を持っているイギリスに、日本円が対抗できる要素はないと今、歴史を振り返れば分かります。
もし日本が仮想通貨大国かもしれないというならば、このバブル当時に、円が世界をリードできるかも?と錯覚したことと似た勘違いをしているのかもしれません。

世界各国がこの暗号通貨をどう利用するべきか試行錯誤しているときに、一番初めに規制をつくったことに胡座をかいてしまっているのだと思います。
アメリカが合法化したもの以外は、絶対に手を出さないという従米的な性格の日本が、近代ではじめて先端テクノロジー領域で、世界に先駆け法整備をしたことは事実で、これは素晴らしいことです。

しかし、その規制を必要に応じ変化させる柔軟さが必要で、この理解が広まることを願うばかりです。

暗号通貨は、100年に1度やってくるような非常に大きなパラダイムシフトです。

暗号通貨とブロックチェーンの未来を考えるために知るべき国際金融・近代金融史の基礎知識

是非、近代金融史と国際金融を振り返った上で、未来を予測し、各々がベットしてほしいです。


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