取引所

米国最大の取引所coinbaseが業界に与える影響。UBERとAirbnb以降に最も成功したアメリカのスタートアップはどのような成長をしたか。

研究所サロンでは、米国最大の取引所であるcoinbaseに関するレポートを配信しました。

coinbaseは、暗号通貨企業としてだけでなく、スタートアップ界全体でみても、UBERとAirbnb以降に創業されたアメリカのスタートアップで、最も成功している会社と言えますが、その概略や戦略についてはほとんどまとまった記事もなく、考察はあまりされていません。

今回のレポートでは、coinbaseがどのように成長をしたかなどについて触れていきます。
特に2017年後半からの、稼いだキャッシュの使い方や買収の動きについては知っておくべきことが多いですし、元coinbase従業員や現在のボードメンバーはシリコンバレーの暗号通貨エコシステムの中で最も影響力のある集団になりつつあります。


この点は、以前にもサンフランシスコエリアの現地レポートにも示しています。

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レポートではこれについても深く解説していきます。

Coinbaseのビジネス規模、売り上げ、ユーザー数など

まず最初に、2018年現在のcoinbaseのビジネスの規模について触れていきます。
同社サイト( https://www.coinbase.com/ )によると、現在サービス対象の国は32カ国、ユーザー数は2000万人以上、これまでどうプラットフォームで取引をされた金額は、$150Billion(約17兆円)だとしています。

アメリカ以外のサービス対象国は、ヨーロッパが中心で、言語ベースではドイツ語、フランス語、スペイン語など9言語を対応しています。

資金調達状況に関しては、後述しますが、今年4月に一部株式交換で行なったearn.com社の買収時に、現在の評価額は、$8billion(約8800億円)としています。
匿名の同社関係筋でメディアに流れた情報では、昨年のCoinbaseの売り上げは約1200億円という数字がでています。
これに対して、今年2018年は投資や加速と競合の増加により、利益率が下がると思う、というコメントが出ています。
いずれにしても、創業6年目にして1000億円の売り上げを実現したスタートアップは、これまでほとんどないでしょう。
再三に渡り指摘をしているように、BinanceとBitmain、Coinbaseの3社は、人類の産業史で最速で成長をしている企業です。

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創業に関する略歴

Coinbaseは2012年にサンフランススコで、Brian ArmstrongとFred Ehrsamによって設立をされました。

Brian Armstronghは元Airbnbのエンジニア、Fred Ehrsamは元ゴールドマンサックスのトレーダーです。

もう一名、初期の創業メンバーとしてBen Reevesがいますが、こちらは早期にcoinbaseと違う道を歩み、Blockchain.nfoの創業に参画しています。

2012年の夏にYコンビネーターのプログラムに参加をし、150000ドルを獲得し、サービスをローンチします。
それ以前、Brian Armstrong自体は起業を志すことはなかったと言います。

自作ソフトウェアを作るなかで思いついたアイデアで、Yコンビネーターのプログラムに参加し、自信をつけたというエピソードを20VC( http://www.thetwentyminutevc.com/brianarmstrong1/ )のポッドキャストで語っています。

ちなみにビットコインに出会ったのは2010年で、やはりシリコンバレーエリアの第一次ビットコインブームは非常に早かったと振り返れます。
当時、または2012年前後のビットコイン業界は、非常に黎明期であり、有名な会社は、bitinstantやMountGOX、bitpayなどで、このあとやや後発で登場をしたのがcoinbaseでした。
特に初期のビットコインコミュニティでは、サイファーーパンクに傾倒する人間が多く、中央銀行への批判を多く行うような人物が目立っていましたが、coinbaseは当時からそういったテーマとは無縁の様、もしくはより落ち着いた姿勢を貫き、その後の成長や資金調達をこなしていくことになります。

2017年の資金調達時は、暗号通貨業界で一番最初にユニコーン企業になった会社として取り上げられました。

 

coinbaseが提供してるプロダクト

Coinbaseは2018年7月現在で下記の9つのプロダクトを提供しています。

・Asset Management
主要通貨をパッケージしたインデックスファンド。

・Consumer
通常の取引所サービス。

・Commerce
ペイメントプロセッサで、ユーザーはビットコインで支払い、店舗はUSDで受け取れる。

・Custody
機関投資家向け保管サービス
・Earn.com
ビットコインをやり取りできるSNSのようなサービス

・Paradex
0xリレイヤーのDEX

・Prime
ヘビートレーダー向けツール

・Pro
機関投資家向け取引ツール

・Toshi
ウォレットアプリ、Dappsブラウザ

coinbaseのこれまでの資金調達

下記にcoinbaseのこれまでの資金調達をまとめます。

各ラウンドで参加をしている投資家を見るとわかりますが、今シリコンバレーエリアで力を持っているVCは、coinbaseの初期ラウンドで投資をしていたファンドが中心です。

具体的には、USVとa16ですが、これらはcoinbaseと関わりの深いファンドとして活動し、各ファンドかの従業員は独立して新しいファンドを始めている動きも多いです。

これもレポートの後半で詳しく後述します。
Blockchain Capitalも最初のクリプトファンドですが、2015年のファンド組成をして時間gがたたない時期からcoincaseのシリーズCに参加をしています。
また、この時から株主にニューヨーク証券取引所の親会社を混ぜるなどを意識しはじめ、2016年には、シリーズCとDの間にベンチャーラウンドとして、日本の銀行を加え、日本進出の布石になっています。

・シードラウンド/2012年8月
:参加した主な投資家-Ycombinater

・シリーズA/2013年7月 / 調達金額$6.1M
:参加した主な投資家
Union Square Ventures
SV Angel
Red Swan Ventures
Digital Currency Group

・シリーズB/2013年12月 /調達金額$25M
:参加した主な投資家
Andreessen Horowitz
Union Square Ventures
Daniel Gross

・シリーズC/2015年1月 /調達金額$75M
:参加した主な投資家
Blockchain Capital
Andreessen Horowitz
Union Square Ventures
New York Stock Exchange (NYSE)

・ベンチャーラウンド/2016年7月 $10.5M
:参加した主な投資家
三菱UFJ銀行、三菱UFJキャピタル、SOZOベンチャーズ

・シリーズD/2017年8月 /調達金額$108.1M/バリュエーション1.6Billion
:参加した主な投資家
IVP (Institutional Venture Partners)
Draper Associates
Tusk Ventures

ここまでcoinbaseの現在の基本情報や創業の沿革を振り返りました。

レポート全文では、coinbaseの投資先、経営、その影響力など多岐に渡り触れています。
おそらくcoinbaseを研究したレポートとしては、英語・日本語を探しても、ここまでまとめたものは、執筆時点ではないと思います。

ご興味ある方はぜひお読みください。

目次
■coinbaseの2018年に入ってからの動き
■coinbaseのこれまでのM&Aと投資活動(9件)、その方針や特徴
■Coinbase Ventures(CVC)からの12件の投資先(2018年8月時点で12の投資先)
■coinbaseのミッションとバリュー
■coinbaseの組織内での意思決定フレームワーク
■CEOの最も重要な仕事は人に関することや採用、coinbaseのHR戦略で重視している36のこと
■coinbaseのボードメンバーとキーマン
■暗号通貨業界で存在感を高めるcoinbase元従業員と、そのネットワーク
■coinbaseマフィア、coinbaseとシリコンバレーエリアのクリプトファンド
■coinbaseと関わりの深いプロジェクトの事例
■一次情報が集まる仕組み作りと圧倒的なインサイダーになったcoinbase

(続きは、研究所サロンに入会してお読みください。)

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