技術解説

2019Q1にローンチをするMimbleWimbleを実装した2つの暗号通貨、GrinとBeamの基礎的な紹介、仕組み

d10n Labでは、2019Q1にローンチをするMimbleWimbleを実装した2つの暗号通貨、GrinとBeamの基礎的な紹介、仕組みについてレポートを配信しました。

導入。2019Q1にローンチをするMimbleWimbleを実装する2つの暗号通貨

2019Q1に、MibleWimbleという技術を実装した2つの暗号通貨、GrinとBeamがローンチをします。
MimbleWimbleはスケーラビリティと匿名性の両方を解決する技術として、ビットコインコミュニティで数年研究されてきました。

それぞれ2つのコインは、どちらもICOの販売はなく、2019Q1にマイニングによってスタートします。
本レポートでは、MimbleWimbleという技術の基礎的な概要の理解をすることを試み、そしてそれを実装するGrinとBeam、2つの違いについて解説します。

MimbleWimbleの実装は、従来と全く違うブロックチェーン

匿名化の代表技術である、ミキシングやConfidential Transactionなど匿名トランザクションの技術はいずれも、匿名性が上がることを引き換えにブロックサイズを増大させることをボトルネックにしていました。
もっとも最近は、zk-snarksを使用し、トランザクションサイズも小さくし、匿名性を将来得れることが期待されていますが、少なくとも現時点では、こういったボトルネックが確実に存在し、そのためZcashやDASHで匿名トランザクションが使用されている割合は全トランザクションの1%にも満たない状況があります。

これに関しては、下記のレポートに詳しいです。

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これに対して、MimbleWimbleは、ブロックサイズを上げずに、匿名性を得るとしています。
このMimbleWimbleを実装した初のブロックチェーンとして2つのコインに、技術的視点・投資的視点の両方で注目が集まっています。

MimbleWimbleは従来のブロックチェーンとは全く異なる仕組みであり、その仕組ゆえユーザー体験も異なります。
UTXOベースですが、トランザクションレベルでビットコインの実装と全く異なり、ユーザー体験として、最も特徴的な点は、アドレスが存在しません。

これは後述します。

■MimbleWimbleの歴史

MimbleWimbleの歴史について触れます。

公にMimbleWimbleについてのホワイトペーパー( 参照:http://diyhpl.us/…/mimblewimble-andytoshi-draft-2016-10-20.… )が公開されたのは、2016年10月です。
2016年のScaling Bitcoinに、BlockstreamのAndrew Poelstraによって公開されました。
しかし、彼は、このホワイトペーパーを発表したとき、「これは私が開発したものではなく、ヴォルデモート卿(Lord Voldemort)と名乗る人物から基礎となるテキストファイルを秘匿化した通信で受け取った。」としています。
ヴォルデモート卿(Lord Voldemort)とは、小説ハリーポッターに出てくる魔法使いで、その名前を使った匿名の人物によって、提案された技術です。

さらに2016年11月に、Ignotus Peverellと名乗る匿名の人物(この名前もハリーポッターに登場をする人物です)が、GitHubに実際にコードを公開して、MimbleWimbleの開発コミュニティがスタートしました。
この開発コミュニティがGrinです。
当初では、ビットコインのサイドチェーンとして実装することも検討されていましたが、結局、オリジナルの新しいチェーンになりました。

そして、もう一つの実装が、Beamです。
こちらは後発で、かつオープンソースの開発コミュニティ主導ではなく、企業によって開発され、さらにクローズドコードでした。
当時は、Beamがクローズドで開発していることを批判もありましたが、今はオープンソースになっており、またその当時の批判もほとんどなくなっています。

こうして2つの実装が同時並行で開発され、それぞれ2019Q1にローンチをします。

MimbleWimbleの実装は、従来のブロックチェーンと全く異なります。
というのも、MimbleWimbleは匿名性が高いですが、トランザクションを行った後、トランザクション自体がブロックチェーンに記録されません。
もっと言えば、公開鍵・アドレスという概念がありません。

・Confidential Transactionをベースとしたトランザクション
・ブロックチェーンのシンプル化
・それを可能にするexcess k*Gに基づく署名方式

がこれを可能にしています。
d10n Labで配信をしたレポート全文では、MimbleWimble自体のアーキテクチャを概観したあとで、GrinとBeamの両プロジェクトの特徴や違い、周辺動向を解説します。

目次
*導入。2019Q1にローンチをするMimbleWimbleを実装する2つの暗号通貨
*MimbleWimbleの実装は、従来と全く違うブロックチェーン
*MimbleWimbleの歴史
*MimbleWimbleのアーキテクチャ
*MimbleWimbleの特殊性
*アドレスが存在しないブロックチェーンでユーザー体験はどのようになるのか?
*Grinの概要(背景、開発者、マイニング、供給スケジュール)
*Grinの周辺の動きと、その考察
*Beamの概要(背景、開発者、マイニング、供給スケジュール)
*Beamの周辺の動きと、その考察
*懸念点
*総論

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