マイニング

ビットコイン価格下落に対する現在のマイナーの状況。そしてBitmainなどASICメーカーは何故上場を目指すのか?

ASICメーカーの一斉上場と、ビットコイン価格下落によりマイナーへの影響を外観する。

d10n labでは、現在のビットコイン下落とマイニングの収益性の考察、およびこれからマイニング業界の構造に変化が見られる可能性が高くその点について触れていきます。

暗号通貨価格が下落相場のなか、当然、マイナーも苦しくなっており、その状況を俯瞰的に分析します。

また、その状況と並行をして、マイニング関連事業者は、上場申請が連続してています。

BitMain、Canaan、Ebangの3社はいずれもマイニングハードウェアを製造する企業であり、彼らが業界トップ3であり、3社ともに、同時期に香港証券市場への上場を計画しています。

さらにASIC製造ではないですがマイニング関連事業を行うArgo Blockchainは、今年8月にロンドン証券取引所へ上場、その他、Hydrominer社も、ロンドン証券取引所の上場を噂されているなどの動きがあります。

現在のマイニングの収益性やマイナーの状況を俯瞰終えた後で、彼らが同じタイミングで上場に動かしている要素はなにであるのか、も考察をしていきます。

Blommbergのインタビューで、「可能性はある」程度について触れたのが、Bitmainがはじめて上場についてコメントを行った機会で、それから約2ヶ月でプレIPOラウンドと上場申請の具体化の話がでているのは、あまりにスピードが早いと感じざるを得ません。

6月には、こちらのレポート配信しました。

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加えて、その他のASICメーカーも上場計画をしており、彼らを上場に向かわせている動機はなにがあるのかは考察の余地があります。

今回のマイニングに関するレポートの最後では、ASIC各社がなぜ上場を急ぐのか、一部推論も踏まえますが、批判的な視点で分析を行います。

ビットコインの価格の下落とハッシュレート

ビットコインの価格の下落トレンドは変わらず、執筆時点で円建てで、70万円を割り込んでいます。

下落トレンドの間、ビットコインのハッシュレートは上昇トレンドにあり、上下を繰り返しながらも市場最高値のハッシュレートを更新しています。
ハッシュレートの上昇図に関しては下記のようになります。

これと合わせて、Mining Difficultyも上昇しており、その図が下記です。

とはいえ、昨年後半からのハッシュレートの上昇については、ビットコイン価格の上昇スピードが早すぎ、それに追いつこうとした側面が強いとみられます。
また、ハッシュレートは常に上昇を続けますが、それは投下されている電力コストやプレイヤーも増えているから、といった側面もありますが、ASICの効率性も過去数年間上がり続けてきたという下支えもあります。

次に、以下のデータは、毎秒1Thash投下した際に日次に得られるUSD建ての収益性です。


現在は、0.27$で過去最低値を大きく割り込んでいます。
2017年3月、2017年4月のビットコイン価格の下落寺は、0.46$をサポートラインにして反発をしていたのですが、これを大きく割り込んだ形になります。

なお、この数値については、電気代やASICの使用機種などは関係なく、あくまで「毎秒1Thash投下した際にどれだけの収益がドル建てで得られるか」という数値です。

データは全てbitinfochartより引用。

マイニング事業者の現在の収益性は悪化。日本を含む電気代が高い地域のプレイヤーは撤退ムード。

さて、このように価格は下がりながらも、全体のハッシュレートが上昇していると、同じハッシュパワーを昨年から投下し続けてたプレイヤーに関しては、

・取得できるビットコインも少なくなり(全体の中でシェア割合が落ちているため)
・その取得したビットコインの価格も下がっている


といった二軸で収益性が下がります。

この2点から、現在マイナーは収益性の観点で厳しい状況になっており、特に電気代が高い日本国内地域のマイナーは、執筆時点でほとんど全てが日ごとの収益性は赤字であるという認識で間違いないでしょう。

国内の小規模のマイニングファームは多く売却に出されており、実際の売却についても、買い手も国内で運用の検討は難しく、かといって引越しコストも大きいというやり取りは個人的にも各所で散見をしています。

あげくヤフーオークションにマイニング機器がファームごと出品されるなどという事態にすらなっています。


https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v565214636

他には、国内でマイニングをしていた業者は、太陽光のように償却性を売りにして、マイニング施設に投資を呼びかけるような事例が多発しているというのが、現在の状況です。

上場企業各社に関しても、マイニング事業は、足元は厳しい状況で、これについては、8月9日にQ2の決算を発表したGMOを取り上げます。( https://ir.gmo.jp/library/presen/ )

暗号通貨事業全体のセグメントは黒字ですが、マイニング事業は現在赤字になっており、本レポートで上述している全体のハッシュレートの上昇と、価格下落による環境変化、深刻視している内容になっています。

加えて償却期間や電力取得コストを内部課題にもあげていますが、今後はマイニング事業の転換を決定し、以後、同社の開発したマイニング機器の販売を最優先事項にすると発表しています。
このように電気代の高い地域で採掘事態をするプレイヤーは撤退ムードが漂っています。

ここまで日本国内のマイニング業界のプレイヤーに触れましたが、d10n labで配信をしたレポート全体では、より電気代が安い地域のマイナーの状況、BitmainをはじめとしたASICメーカーは今どうして一斉に上場をしようとするのか、様々な数字をもとに仮説をレポートしています。

目次
■ビットコインの価格の下落とハッシュレート
■マイニング事業者の現在の収益性は悪化。日本など電気代が高い地域のプレイヤーは撤退ムード。

■Ethereumのマイニングについて
■トップレベルのマイナーの現在の状況を概観。彼らは現在も収益性を得ているのか?
■ASIC販売会社が一斉上場、Bitmainのポリシー変更について
■ASICメーカー各社は今どうして上場をしようとするのか?
■これからのASICメーカーに起きる可能性のある変化
■Bitmainが保有する資産について
■レポート総論

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