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トークンを交換するプロトコルであるKyberNetworkの概要・仕組み・エコシステム、KNCのトークンモデルの考察

d10n Labでは、レポート「トークンを交換するプロトコルであるKyberNetworkの概要・仕組み・エコシステム、KNCのトークンモデルの考察」を配信しました。

前提・KyberNetwork概略

本レポートでは、KyberNetworkの概要、仕組み、およびそのエコシステムについて解説します。
同プロジェクトは、Ethereumのオンチェーンで稼働しているトークンをスワップするプロトコルとして、最も主要なプロジェクトの一つです。
同プロジェクトは2017年9月にICOを行い、2018年2月にメインネットでローンチをしました。
その後も精力的なアップデートを続けており、Ethereumコミュニティでは常に中心にいたプロジェクトです。
KyberNetworkについて基本的な仕組みは既に知っている人も多いと思いますが、周辺のエコシステムや将来に予定されているアップデートは多様になっていますので、本レポートではそれらをまとめて概観します。
Ethereum上の主要なプロジェクトの一つであり、UniSwapなども、このKyberNetworkの設計から大きい影響を受けており、依然KyberNetworkは重要なプロジェクトですので、キャッチアップできる内容を努めます。

公式サイト:https://kyber.network/
ホワイトペーパー:https://github.com/kybernetwork
GitHub:https://github.com/kybernetwork

単一のDEXアプリケーションではなくプロトコルを志向

KyberNetworkは、広義にトークンをスワップするためのプロトコルであると表現できます。
同プロジェクトはDEXプロジェクトとして知られることも多いですが、単一のDEXとしての機能だけではなく、KyberNetworkはトークンをスワップするプロトコルとして開発されています。
KyberNetworkは、様々なDAppsやEthereumの経済活動の裏側でKyberNetworkがスワップを実行できる使われ方を描いています。
KyberNetworkは、自らのビジョンを「Any Token Anywhere」として掲げています。
ユーザーAが物品の購入にXトークンで支払いをしたい場合に、ユーザーBはYトークンで受け取りたいと希望をしても、KyberNetworkが裏側でスワップを出来るというペイメントプロセサのようなイメージです。
もちろんDEXとしても利用ができ、DEXの機能は、KyberSwapとして提供されています。webのインターフェイスはもちろん、モバイルアプリも提供されています。(参照:https://kyberswap.com/ )
KyberNetworkでは、全てオンチェーンでセトルメントされ、かつオーダーブックが存在しません。
スマートコントラクトを用いた流動性プールに、流動性提供者がトークンをプールして、リアルタイムで買値・売値が算出されます。
ユーザー体験としては、中央集権取引所における「販売所・簡単売買」と同じで使い方は極めて簡単です。

DEXとして使用するときも、ペイメントプロセサのような使い方をする際も、流動性プールは同じものを使用します。
また後述しますが、提供されているコードをペーストするだけで、KyberNetworkの交換所にアクセスできるウィジェットを、自身のサイトやアプリに設置することも出来ます。

KyberNetworkの仕組み、アーキテクチャ

KyberNetworkを構築する主要なステークホルダーは下記の4つに分類されます。

・ユーザー
一般ユーザーであり、トークンをスワップします。

・Reserve Contributor
リザーブに資金(ETHやERC20)を流動性プールに拠出するプレーヤーをのことで、Kyber Networkに流動性を提供するのはこのプレイヤーです。
Reserve Contributorは、Kyber Networkのコントラクトにトークンを預託して、スプレッドから利益を享受できます。
当然、一回一回の利益は決して高いものではありませんが、Kyber Networkが市場へ浸透するにつれて取引高が増加し、利益が大きくなることを期待します。
当初、KyberNetworkはこのReserve Contributorをパーミション型で承認制にしていましたが、執筆時点では誰でもReserve Contributorになることが出来ます。

・Reserve manager
Reserve managerは、リザーブの管理、交換レートの更新などを行います。
Reserve Contributorは、Kyber Networkに資金を拠出しますが、それはスプレッドを設定して取引して利益を得るためです。

その際のスプレッドを決定する立場にあるのが、Reserve managerです。

Kyber Networkにはリザーブが複数存在しますが、各リザーブにはそれぞれリザーブマネージャーが存在します。
スプレッド(交換レートの提示)、リザーブ内トークン割合のリバランスの2つを行います。
多くの場合、Reserve ContributorとReserve managerは同じ主体であると予想されますが、それぞれが別の主体で委託したりされることも想定されています。
また、2019年3月にリリースされたReserve managerは、Automated Price Reserveで代替もでき、自動でスプレッドを調整することも可能です。
(参照:https://blog.kyber.network/introducing-the-automated-price-reserve-77d41ed1aa70

・ KyberNetwork Operator
KyberNetwork Operatorは、プロトコル全体を管轄します。
主にはトークンの追加および廃止です。
現在は、KyberNetworkのファウンダーチームがこの機能を担っていますが、将来、より分散的な運営手法に変わっていくとされています。
分散的な運営手法については後述します。

この4つの主体が以下の図のようにやり取りをされ、KyberNetworkのシステムが構築されています。

これに加えて、後述する独自トークンのKNCがReserve Contributorをはじめエコシステム内のプレーヤーに対するインセンティブ設計として組み込まれています。

d10n Labでは、さらに詳しいKyberNetworkの仕組みやKNCトークンのモデル考察や評価を行っています。

目次
*前提・KyberNetwork概略
*単一のDEXアプリケーションではなくプロトコルを志向
*KyberNetworkの仕組み、アーキテクチャ
*KNCトークンの役割、トークン設計
*KNCトークンのICO及び、ディストリビューション
*創業者、チーム、アドバイザー
*エコシステム・KyberNetwrkのプロトコルを使用するアプリケーション
*KyberNetworkの将来のDAOへの移行
*BitcoinをEtheruem上に持ち込むWBTCの取り組み
*KyberNetwrokの2019年のロードマップ
*投資対象としてのKNCの評価・リスク
*総論

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