その他のパブリックプロトコル

ゲームアイテムのトレードに特化をしたブロックチェーンWAXの概要・仕組み

d10n Labでは、レポート「ゲームアイテムのトレードに特化をしたブロックチェーンWAXの概要・仕組み」を配信しました。

ゲームアイテムのトレードに特化をしたブロックチェーンWAX

本レポートでは、ゲームアイテムのトレードに特化をしたブロックチェーンWAXの概要・仕組みなどについて解説をします。
WAXは、国内であまり注目されることがないプロジェクトですが、驚くべきことに、2018年の年末時点でEthereumやEOSのオンチェーントランザクション数を超えて、最もブロックチェーン上のトランザクション数が多いブロックチェーンです。
もっとも、この数字はパブリックベータのWAXのブロックチェーンであり、フェイクボリュームが少なからず入っている可能性があるという懸念を踏まえておく必要はあることは留意しておきます。


( 参照:https://medium.com/eos-new-york/why-wax-choosing-to-build-their-own-blockchain-based-on-eos-io-isnt-a-bad-thing-de90e84d0045?fbclid=IwAR34APKOENmY8FKLuIgGbUISqEjncG8eBZOHfT1sTnaVEfD9inOtWdvA5AM )

WAXはこのパブリックベータでのテストが完了次第、2019Q2に独自ブロックチェーンに移行をする予定です。
執筆時点で、ネイティブトークンであるWAXも価格を伸ばしており、2018年1-3月は約60%の上昇幅を記録しており、coinmarketcap上の時価総額は80位程度に位置をします。
WAXは、元々、世界でも主要なオンラインゲームアイテムのリアルマネートレードのプラットフォームを運営している起業家たちが創業したプロジェクトです。
そのため、ブロックチェーンをきっかけにブロックチェーンゲームをはじめて作り始めたようなプレーヤーと異なり、既存のゲームのアイテムをブロックチェーン上に載せていくというアプローチを取っています。
WAXという名称は、Worldwide Asset eXchangeの略称です。
そういった点で技術的な新規性や、ブロックチェーンコミュニティからの注目度が薄いのですが、それでもある単一ドメインの既存プレーヤーがパブリックブロックチェーンを活用し、存在感を出している事例として非常に興味深いケーススタディであるとも言えます。

公式サイト:https://wax.io/
ホワイトペーパー:https://wax.io/uploads/WAX_White_Paper.pdf
ブロックエクスプローラ:https://explorer.wax.io/

プロジェクト背景・チーム

WAXのチームによると、毎年4億人以上のゲーマーが、5兆円以上のゲームアイテムの購入、および二次流通市場での交換をしていると言います。
そして、その中には国を跨いだクロスボーダーのトランザクションも含まれますが、その際は高額な手数料が必要であることや、単価が低いゲームアイテムのトランザクションが出来ないことがしばしばあるといいます・
WAXは、ゲームアイテムのリアルマネートレードのプラットフォームのOPSKinsのCEOのWilliam Quigleyがファウンダーとなって、2017年にホワイトペーパーがリリースされました。
William Quigley氏は、現在もWAXのCEOとOPSKinsのCEOを兼任しています。

William Quigley氏は、Bitcoin黎明期からこの業界に高い関心を持っていた人物で、Mastercoin(Bitcoin上にカラードコインを発行するプロトコルで史上初めてのICOプロジェクト)、Gocoinにも関わっている経歴を持ちます。
OPSkinsは、週平均200万件のゲームアイテムのトランザクションを持ちます。
WAXは新しい会社として設立していますが、OPSkinsのトップページにもWAXへの導線リンクは大きく表示されており、平行して運営していくのだろうと考えられます。

OPSkinsは、2018年に、ゲームプラットフォームSteamの子会社であるValveとゲームアイテムの著作権の取扱、著作権の観点で揉めている事件が発生しています。
Steamのゲームでプレイヤーが所有するスキンアイテムをトレードすることを禁止される場合、OPSkinsの経営には非常に大きい打撃が考えられるとも噂されており、そういった点からも、WAXは同社にとって新しい取り組みであると言えます。

WAXの基本的な技術的アーキテクチャ

WAXの基本的な技術アーキテクチャについて解説します。
2019Q2にWAXは、独自のブロックチェーンをローンチします。
WAXの基本設計は、BFT形式のDPoSです。
つまり設備投資がなされた少数のノードがブロックを作成することに限定して、オンチェーントランザクションで数多くのトランザクションを処理するネットワークです。
WAXのブロックチェーンは、EOSをフォークして作る予定です。
EOSのコードを元に改良をし、基本設計はEOSに沿ったものになります。
ARK、EOS、LISK、Tendermint、NEM、NEOなど一通りのブロックチェーンをリサーチして結果、開発コミュニティの充実などの要因からEOSのコードを元に独自ブロックチェーンを作ることにしたと言います。
(参照:https://medium.com/eos-new-york/why-wax-choosing-to-build-their-own-blockchain-based-on-eos-io-isnt-a-bad-thing-de90e84d0045?fbclid=IwAR34APKOENmY8FKLuIgGbUISqEjncG8eBZOHfT1sTnaVEfD9inOtWdvA5AM )

このため、基本的な設計の理解には、EOSの概要を知ればおおよそはカバーができます。
過去に配信をしたEOSのレポートを参照ください。

RELATED POST
EOSが提案する新しいブロックチェーンの形式。仕組みからガバンスモデル、彼らのビジネス的アプローチまで分解し、EOSを理解する。d10n labでは、EOSについてのレポートを配信しました。 EOSは、汎用性の高いスマートコントラクトプラットフォームであり、...
RELATED POST
ローンチから半年が経ったEOSのエコシステム全体を俯瞰する。アプリケーション/TX/現時点でのキラーサービスetc(2018Q4)d10n Labでは、「ローンチから約半年が経ったEOSのアプリレイヤー・ユーザー数などの状況を俯瞰する。(2018Q4)」のレポートを...

なお、蛇足ですが、今後、既存のブロックチェーンの基本設計を使いながら、マーケットプレイスやアプリケーションベンダーが独自のブロックチェーンをローンチする事例は増えると思われます。
COSMOS SDKやSubstrateは、まさにそういったものです。

WAXでのアカウントは3種類あり、ユーザーアカウント(一般のアカウント)、Guilds(バリデータノード)、Transfer Agents (ゲームアイテムストアなどを想定し、2つのHD秘密鍵を保持する)に別れます。

ユーザーは、WAX上でゲームアイテムなどを交換する際にトランザクション手数料をネイティブトークンで支払います。
ゲームアイテムを交換するためのスマートコントラクトとして基礎的なライブラリを備えていくといいます。

本レポート全文では、WAXの仕組み、考察を行います。

目次
*ゲームアイテムのトレードに特化をしたブロックチェーンWAX
*プロジェクト背景・チーム
*WAXの基本的な技術的アーキテクチャ
*バリデータノードであるGuildsの役割
*Transfer Agentsの役割
*レーティングシステムと係争時の仕組み
*トークンのディストリビューション
*WAXの仕組みやプロジェクトに対する考察
*総論

(続きは、d10n Labコミュニティに入会してお読みください。)
一度研究所に、ご入会して頂くとd10n Labの過去の700本以上のレポートやコラムが全て閲覧できる他、定期的に行なっている収録イベントの過去ログ、不定期で行っているイベントなどにアクセスできます。

暗号通貨とブロックチェーンは、インターネット以来の大きいイノベーションであり、私たちの世代にとって最も大きいインパクトを与えパラダイムシフトを起こすと考えています。

d10n Lab(ディーテンエヌラボ)は、未来を思考する離合集散的なリサーチコミュニティです。

暗号通貨のこと全般・投資リテラシー・移住など多様なトピックを扱うほか、嗜好が近いメンバーとも出会える場を目指しています。読みたいレポートをリクエストしたり、リサーチャーがマネタイズできるリサーチプログラムもあります。