その他のパブリックプロトコル

ブロックチェーンプロジェクトにおけるトークンアロケーション方式についての考察。オープンソースのブロックチェーンプロジェクトの資本政策の考え方。

d10n Labでは、「ブロックチェーンプロジェクトにおけるトークンアロケーション方式についての考察。オープンソースのブロックチェーンプロジェクトの資本政策の考え方。」のレポートを配信しました。

前提・トークンアロケーション方式について

本レポートでは、ブロックチェーンプロジェクトにおけるトークンのアロケーション方式について考察を深めます。
多くのブロックチェーンプロジェクトはトークンを発行したり、ICOを行ったりしています。
そのICOなどの時点で、初期にどのような割合でトークンを分配をするかどうかは、大きい問題です。
アロケーション方式とは、XX%をICOでパブリックに売り出し、コミュニティファンドにYY%を預託、ファウンダーチームがZZ%を報酬にもらうという具合のバランスの取り方です。

基本的に優れたアロケーション方式は、適切なステークホルダーに適切な分だけのトークンが分配され、経済圏に特権階級ができず、かつ持続的にエコシステムが稼働することだと言えます。
前提として、このトークンのアロケーションモデルには正解は恐らくありません。
各ブロックチェーンプロジェクトの合意形成アルゴリズムによってもトークンアロケーションは変容する必要があるでしょうし、また、各プロジェクトの性質によって異なるトークンアロケーションは異なるはずです。
と考えれば、画一的な成功モデルといえるトークンのアロケーションモデルが存在しないことは自然です。
しかし、成功モデルはなくとも、現在、稼働しているブロックチェーンプロジェクトのアロケーション方式を広く俯瞰することで得れる示唆もあるはずであり、本レポートではそれを試みます。
ICOやプライベートセールのファンドレイズ時に、各プロジェクトが、どのようにトークンを分配して、どのような作用を及ぼしたか考えていきます。

トークンのアロケーションは、スタートアップ創業における資本政策のようなもの

トークンのアロケーション方式は、スタートアップを創業する際に考える資本政策等のようなものであり、様々なモデルを俯瞰することで、多くの学びがあるはずです。

スタートアップの場合は、タームシートを描き、AAの用途でBB円が必要であるからシードでCC円を調達、シリーズAではDD円を調達、IPO時に創業者がEE%の株式が残っていれば良いという具合に計画表を立てます。

トークンを発行するオープンソースのブロックチェーンに、このような従来的なラウンドに分けたエクイティ調達はされませんが、このスタートアップの資本政策と似た考え方が必要になるのではないかと思います。(最も最近はパブリックブロックチェーンでもエクイティ調達する事例はありますが、ここでは株式会社ではないブロックチェーンプロジェクトを扱う。)

つまり、エコシステムをサポートするファウンデーションが、どれだけの費用を使う予定があり、そのためには将来どれだけトークン価格が上がる必要があり、何パーセントのアロケーションが必要であるかというような資本政策的な考え方です。

本レポートでは、そういった視点でいくつかのパブリックブロックチェーンやプロトコルのトークンアロケーションについて考えるものです。

Etheruemのトークンアロケーション方式

Ethereumは、2014年7月に一般公開のICOをして31,591 BTC 、当時のレートで約20億円を資金調達しました。
このときに投資をした人はETHを受け取り、そのETHはブロックチェーンの一番最初のGenesis Blockに含まれ、2つ目のブロック以降はマイニングによってトークンディストリビューションがされています。

ETHのGenesis Blockは、2019年3月の執筆時点において全体供給量の約68%のETHが配分されています。


(参照: https://etherscan.io/stat/supply

このGenesis Blockには、ICO参加者以外のETHの他に、Ethereumファウンデーションとファウンダーチームが受け取っているETHも含まれています。

Genesis Blockに含まれているETHのアロケーションは下記のようになります。

・83.5% – ICO参加者
・8.3% – Ethereum Foundation
・8.3% – 初期の開発者(Vitalikなどが個人で受け取ったETHもここに含まれる。)
(参照:https://www.cryptocompare.com/media/1383735/pdfs-termsandconditionsoftheethereumgenesissale.pdf )

Genesis BlockのETHは、72Mであり、8.3%は6Mにあたります。
しかし、Vitalikによると、Ethereum Foundationは、これまで最大でも3Mしか所持していないと主張しています。(参照:https://twitter.com/VitalikButerin/status/1050127943064666112?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1050127943064666112&ref_url=https%3A%2F%2Fethereumworldnews.com%2Fvitalik-buterin-discloses-how-much-eth-he-and-the-ethereum-foundation-hodl%2F )

また、Vitalik個人は自身の保有ETHが1%を超えたことは、これまで一度もないとしています。

つまり、タームシートの情報と、Vitalikの発言をどちらも真実であるとして統合をすると、2014年から2015年のICO終了-Genesis Blockのローンチまでの約一年の間に、Etheruem Foundationは、3MのETHを給与などとして放出していたことになります。
このあたりについては、透明性があまり高くなく、ETHのアロケーションについて疑問がよく指摘される箇所です。

現在執筆時点においてEtheruem Faundationは、$660KのETHを保有しています。(参照:https://etherscan.io/address/0xde0b295669a9fd93d5f28d9ec85e40f4cb697bae )
現在のレートで約$75Mです。
これを様々なOSSプロジェクトやエコシステムの発展に寄与するプロジェクトにグラントとして分配しています。
このEtheruem Faundationが保有するETHの量は支援金で分配されますが、増えることはありません。

d10n Labで配信をしたレポートの全文では、このETHのアロケーションについての筆者の評価や、その他のプロジェクトのトークンアロケーションの概観および考察をしています。

目次
*前提・トークンアロケーションについて
*トークンのアロケーションは、スタートアップ創業における資本政策のようなもの
*Etheruemのトークンアロケーション方式
*Etheruemのトークンアロケーション方式についての所感
*Stellarのトークンアロケーション方式
*Stellarのトークンアロケーション方式についての所感
*COSMOSのトークンアロケーション方式
*COSMOSのトークンアロケーション方式についての所感
*0xのトークンアロケーション方式
*0xのトークンアロケーション方式についての所感
*総論・トークンアロケーションを考えることが何故重要か

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