ジンバブエ滞在レポート:国のお金が機能しなくなったとき人々の生活はどうなるのか、破綻国家からビットコインの未来を考える。

先日はアフリカのジンバブエに行ってきました。

2017年、ジンバブエでビットコインの価格が国際価格の2倍で取引されるというニュースが流れ、一時注目を集めました。

ジンバブエは、アフリカ大陸の南部内陸に位置する共和制の国家です。
人口は1600万人で、主要産業は農業、金やダイヤモンドの鉱山もあることでも知られます。

日本からは20時間以上のフライトになります。

運営中の研究所サロンでは、「破綻した国家の人の生活はどうなるか、途上国でビットコインは本当にポテンシャルがるのか」を考察したレポートを配信しました。

■財政破綻国ジンバブエを訪問した理由・目的

ジンバブエは、ハイパーインフレに陥った国家として恐らく知らない人はいないと思います。

政府の公式発表によると、ジンバブエドルは、2008年に35万%のインフレになりました。こういったとき政府の発表は大抵あてにならないし、実際はもう一桁か二桁インフレしていたでしょうが、もはや当時のインフレ率を計測することすら不可能です。

超高額紙幣が次々に刷られ、最終的には100兆ドル紙幣までが市場に登場しました。

(ハイパーインフレをしたジンバブエドル、写真は10兆ジンバブエドル)

ハイパーインフレになったジンバブエドルは、2015年に公式に廃止され、それ以前も2010年くらいからは他国の通貨(アメリカドル、ユーロ、南アフリカランド)が使われていました。

しかし、今に至るまで、この国ではお金が機能不全です。

今回ジンバブエに訪問した理由は、財政危機の国のリアルを是非、自分の目で確かめ、そこから国家とお金を考え、またそこで暗号通貨がアダプションする可能性を考察したかったためです。
というのも、財政破綻、財政危機の国は、世の中に多くあり、それが何故起きてしまったかをマクロ経済から俯瞰するような書籍は多くあっても、「破綻した国家の人の生活はどうなるか」をリアルに取材したものはほとんどありません。

今回は、ジンバブエでビットコインビジネスを検討している知人とともに同地を訪れ、ローカルマーケットの市民、スモールビジネスオーナー、銀行員、大学生、在住外国人、ジンバブエで数少ないビットコイン企業であるBitmariのCEOなど様々な人に、インタビューを実施しました。

(Bitmariオフィス)

また、現地では同国で初めてのビットコインミートアップを開催し、現地での普及にささやかな貢献と、実質破綻国家のような場所でビットコインはどれほどの役割を果たせるかを考察する機会を得ました。

ジンバブエでビットコインは本当に国際価格の2倍で取引されているのか、その実態にも迫っていきます。

そして、昨年末には、40年近い超長期政権を維持したムガベ大統領に対して、クーデターが起こりました。このクーデターは何故起こったか、そして現地の人の反応から、破綻国家で誰が利権抗争をしており、一番得をしているのかを考えます。

「国家が破綻をするとどうなるか」というリアルなレポートを共有しながら、皆さんと考察を深められればと思います。

■ジンバブエという国家の成り立ち、なぜジンバブエはハイパーインフレを経験したか

さて、詳細な滞在レポートの前に、前提知識としてジンバブエの情報に触れておきます。

(銀行に並ぶ人たち)

ジンバブエは、19世紀後半にイギリス南アフリカ会社に統治された後、第一次世界大戦後にイギリスの植民地に組み込まれ、イギリス領南ローデシアとなりました。
また、それ以前は、奴隷貿易の商品としての黒人がこの地からも調達されていました。
イギリス領になった間、国土のほとんどは白人農場主の私有地となり、黒人の権利は限りなく小さかったことは想像に難しくありません。

第二次世界大戦が終わり、世界は脱植民地化の流れになり、また、宗主国であったイギリスも大戦後に経済力を大きく失い多くの植民地を手放していた時期になります。
1965年には、植民地政府首相イアン・スミスが白人中心のローデシア共和国の独立を宣言します。
ですが、ローデシア共和国は、人種差別政策を推し進め、これに対して黒人側もクーデターを起こし独立運動を起こすことになります。
その後、1980年の総選挙の結果、ジンバブエ共和国が成立し、ロバート・ムガベ氏が初代首相に就任しました。
ムガベ氏は、昨年のクーデターの至るまで、約40年近い超長期政権でジンバブエで独裁政治を行っていました。
クーデターによって独立を手にしたムガベ政権は、元々白人主体であった国で、白人の土地資産没収、諸々の権利剥奪を実行し、多くの白人がヨーロッパに帰国します。
そして、この独立のあと、ジンバブエ経済は一度も上向いておらず、ハイパーインフレを迎えることになります。

これがおおよそのジンバブエの国の成り立ちになります。

重要な点として、もともと肥沃な土地で、ローデシア時代は多くの白人がいて植民地化で経済が回っていたことです。
当時、彼らの行っていた政策は、今の倫理感覚では許されるものではないですが、経済は潤っており、アフリカ諸国の中で随一だったことは歴史的事実であり、今でもローデシア時代のヨーロッパ風の建築は市内で散見できます。

■ジンバブエ人は平均して非常に優秀だった

今回の滞在は、現地人でいくつかスモールビジネスを展開する方にアテンドをしてもらっています。

ところで、意外な事実ですが、ジンバブエの人はとてもeducatedでsmartです。
ムガベ大統領は、20世紀後半の政治家でワーストを争う人物ですが、彼の唯一、評価されている功績は、初等教育を義務化し、無料に近いものにしたことです。
同国の初等教育を受けている割合は90%以上で、これは他の近隣アフリカ諸国を大きく上回ります。
実際、話していても、非常に頭が良い人が多く、英語も喋れ、もし競争環境が同じだったら平均的な日本人は彼らに勝てないでしょう。

僕はいくつかのアフリカの国にこれまで訪問しているし、その内いくつかの国では仕事もしたことがありますが、俯瞰して、ジンバブエ人は近隣アフリカ諸国より平均して優秀であると感じます。

ジンバブエは国内経済が機能していないので、外国に出稼ぎに行きますが、南アフリカではジンバブエ人が優秀なために現地の人の仕事を奪うとまでされ、ジンバブエ人に対してビザの発給が急激に厳しくなっているほどです。
ジンバブエ人が比較して優秀であることは、他のアフリカの国でビジネスしている知人から聞く限りでも、共通認識です。

今回、数日の滞在で、多くの人にアポイントメントを取り、スケジュールを消化出来ていますが、通常他の途上国では、先方が時間を守らなかったり諸々がありこうはいきませんし、そもそもこちらの質問に適格な回答を得られないことも少なくありません。

そういった意味で、今回短い滞在にも関わらず濃いレポートを届けることが出来るのは、ジンバブエの人の優秀さがかなり貢献しています。

また、ハイパーインフレを経験したこの国の国民は、「お金とはなんなのか」「銀行や政府とは」という興味も理解度も平均的に高く、彼らの言葉からは自分も発見が多いです。

さて、世界で生きる実践・研究所サロンでは、ジンバブエのレポートを配信しました。

目次

■財政破綻国から「国家とお金」の未来を考える。
■なぜジンバブエはハイパーインフレを経験したか
■国家が破綻すると人々の生活はどうなるのか、
■ジンバブエ政府が発行するボンドノート
■ジンバブエで見た悪貨が良貨を駆逐する現実
■銀行に並ぶ人たち
■貴重なアメリカドルと、価値保存としての◯◯
■破綻国家での送金事情の実態と、彼らの知恵
■ペーパーマネーを考える。
■ジンバブエでのビットコインでの認知度
■途上国でビットコインが使われるようになるためには何が課題か
■途上国で立ち上がるとインパクトのある暗号通貨ビジネスとは?

続きは研究所サロンに入会してお読みください。(入会はこちらから)

 

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